こんにちは。学校の栄養士に「給食でこんな美しいコロッケ見たことない!」とコロッケのパン粉付けを褒められたことが自慢の元学校給食調理員の雲藤テルオです。現場では副責任者をやっていました。
「学校給食の仕事」と聞くと、
でっかい釜ぐるぐる混ぜて魔女の毒鍋みたいな感じで料理作ってるんだろうな
こういうイメージですよね。
逆に言えば、このイメージしかありません。
それ以外は謎
僕も、でっかい釜ぐるぐる混ぜて魔女の毒鍋みたいな感じで料理作ってるんだろうなのイメージだけで入社しました。
実際には、給食の調理に関してはまさにそのイメージ通りでしたが(笑)、実際働いてみないとわからないことも学校給食の仕事には多くあります。
この記事を読めばわかることヽ(^_^)
● 学校給食の仕事内容と1日の仕事の流れ。
● 給食の仕事に向いている人。
● 給食で働く10のメリット & 7つのデメリット。
● 学校給食で働くための方法。
この記事を読めば誰でも給食の仕事の全体が把握できる内容になっているので、学校給食で働くかどうしようか迷っている方、決める際に参考にしてみてください(^_-)/
この記事は各項目がそれぞれちょっと長めの内容になっているので、最初から読むのが面倒な方は【もくじ】から知りたい情報の項目を選びタップすればそこまでひとっ飛びできます。
▼ 学校給食調理員の仕事内容
学校給食の仕事とは、学校の「給食室」、又は「給食センター」で全校生徒の給食を作り提供するという仕事です。
「学校で給食を作る」と聞くと、仕事のほとんどの時間は料理を作っているのだろうと想像すると思いますが、実際の学校給食の仕事は一般的なそういうイメージとは少し異なります。
実際の学校給食の仕事の半分は「清掃」で、実は意外にも調理をしている時間は全体の半分ほどしかありません。
その調理の内容というのも、学校給食の場合は衛生面(食中毒予防)を重視する調理になるので、飲食店などでは通常行わない「料理の温度を測定する」という作業工程がたくさんあるのも特徴的です。
また、何百人という大人数の料理を一度に作るので、フライパンをカッコ良く振るような調理ではなく、虫歯菌が持ってるでっかいフォークみたいな調理器具を使ったりしながらでっかい釜をぐるぐる混ぜるようなスタイルの調理です。
なので、いわゆるレストランなどの “料理人” のイメージとはだいぶ異なる調理スタイルです。
そして学校給食の仕事は調理だけではなく、
・当日に食材を業者から受け取り
・調理し
・使った機器などを掃除し
・出来上がった給食を教室まで運び
・食べ終わった食器を洗浄し
・給食室内を清掃・消毒する
というところまでが業務範囲です。
ときには児童・生徒に混じっての防災訓練やラジオ体操、食育の授業に参加したり、子ども達と一緒に教室で給食を食べたりなど、学校によってはそういうイベントに調理員が参加する場合もあります。
むしろそっちの “業務” を楽しみにしている調理員も多いです(^^)
学校給食の現場で働く調理員は「正社員」と「パート」がいますが、正社員とパートでその仕事内容にも違いがあるので、雇用形態別に仕事内容を解説します。
・学校給食の「正社員」の仕事内容
学校給食の正社員の仕事とは、
-「正社員」の仕事内容-
● 納品された食材を受け取る検品作業。
● 給食の調理。
● その他調理に伴う準備。
● 毎日の作業計画表作成(調理の進め方・時間配分・人員配置など)
● 学校への提出書類作成。
● その他清掃・洗浄・消毒など。
社員は毎日このような仕事を行います。
学校給食で働く正社員とは「学校給食調理員」なんて呼ばれたりしますが、その名の通り、調理師免許を持ちメインで調理を行うのが「正社員」の調理員です。
基本的に給食作りの調理は全て社員が行います。
飲食店で言えば「お店の社員は全員キッチンにいる」みたいなイメージです。
野菜を切ったり、仕上がったものを箱に詰めたり並べたりと、こういう作業はパートが中心に行い、メインの調理は手が足りない時のみパートに一部手伝ってもらったりもします。
飲食店などでは社員もパートもバイトも関係なく同じ仕事を行いますよね。むしろ飲食店では社員よりもパート・バイトが中心でお店を回すのが当たり前です。
しかし学校給食の仕事では、社員が全ての作業の指示をその都度パートに与え、社員中心に現場が回る仕組みになっています。
つまり学校給食という仕事は、調理師免許を持っている正社員に対して学校側から給食を作る権限と義務が与えられているので、あくまでも中心は正社員でなくてはいけないんですね。
なので学校給食の仕事は社員が一番に出勤し、社員が一番最後に帰ります。
飲食店とは真逆な感じです(゜o゜)
・学校給食の「パート」の仕事内容
学校給食のパートの仕事とは、
-「パート」の仕事内容-
● 洗う・切るなどの調理の下準備。
● 調理器具や食器類の準備・洗浄。
● 仕上がった給食をクラスの人数に合わせて箱に詰めるなどの配缶作業。
● クラスに給食を運ぶ配膳作業。
● 食べ終わった給食を下げる下膳作業。
● 給食室・トイレ・休憩室内の清掃。
など、基本的に調理以外の仕事を主に担当するのが学校給食のパートの仕事です。
学校給食で働くパートの仕事は飲食店とは違い社員の指示通りの作業を行うのも結構重要なポイントです。
「えっ?( ゚д゚)」って感じだと思いますが、これはべつに社員の方が偉いとかそういうことではありません。
学校の給食は飲食店とは違い毎日メニューが異なるのと、全員で1つの料理を仕上げるというチームワークが重要な仕事なので、指示通りに動かないと全体の作業の進み具合に狂いが生じてしまうからです。
料理の提供時間が遅くなり「申し訳ございません」と謝りドリンクでもサービスすれば済む飲食店とは違い、学校はあくまでも児童・生徒の授業がメインなので、給食の提供時間の遅れで授業時間を狂わせるわけにはいきません。
なので「社員の指示通りに動く」というのは給食のパートにとって結構重要なポイントだったりします。
調理は基本的に社員が行うため、パートは野菜を洗ったり切ったりといった簡単な下準備を行います。
メニューの内容や現場によっては一部パートにも調理を任されることもありますが、学校給食の調理の場合には調理師免許を持っていないパートに任せっきりになることはないので、その点は安心できますね。
学校給食のパートの仕事内容に関してもう少し具体的に知りたい方はこちらも参考に▼
▼ 学校給食の仕事に向いている8パターンの人
こんな人は給食調理員向き(^o^)v
1 日本一休みの多い調理の仕事を探している方。
2 就職後も副業がしたい方。
3 とりあえず就職しながら夢を追いかけたい方。
4 接客せずに調理だけやりたい方。
5 調理の技術や知識が乏しくて不安な方。
6 飲食店では丁寧すぎて作業が遅く “使えない人扱い” になっちゃってる人。
7 コミュニケーションが「得意」又は「好き」又は「苦手じゃない」方。
8 子供が好きな方。
「これ以外の人は給食の仕事に向かないのか」と言えばべつにそうではありませんが、こういう人はと・く・に給食の仕事に向いています。
子供が嫌いでもべつに大丈夫は大丈夫です(笑)。
1 日本一休みの多い調理の仕事を探している方
学校給食の仕事は調理業界ではおそらく日本一休みの多い仕事なのではないでしょうか。
土日祝日はもちろん、春休み夏休み冬休みもあり、中学校勤務になればテスト休みまである始末です(笑)。
単純計算で年間140日くらいは仕事が休みです。
飲食業界は休みが少なく1日の労働時間が長すぎる問題が未だにあるので「調理の仕事はしたいけど休みもたくさん欲しい!」という人にとって学校給食の仕事は最適です。
このように学校給食の仕事は子供と休みが一緒なので、小中学生の子供のいる女性も働きやすい仕事です。
実際に女性パートも女性社員もそういうお母さんが多く働いています。
男性の場合もやっぱり、仕事よりも家族優先の意識が高い人が給食の仕事を選んでますね。
2 就職後も副業をしたい方
学校給食の仕事は当然のように副業が認められています。(会社へ報告する必要はあります)
仕事に支障をきたさなければいくらでも好きなだけ副業で稼いでOKなので、譲れない副業を既に持っている方、最近増えている「副業が認められない会社には就職したくない」という方にも学校給食の仕事は向いていますね。
3 とりあえず就職しながら夢を追いかけたい方
学校給食の仕事は休みも多く残業もほとんど無いので、就職したからって会社に骨を埋めるつもりはないという、「とりあえず就職しながら夢を追いかける時間も欲しい!」という方にも向いている仕事です。
僕の会社でも音楽活動をしたりダンサーを目指して活動したりと、そういう他に大きな夢を持っている社員も実際に何人も働いていました。
更に副業も認められているので、例えば昔バンドをしていたのでその経験を活かして土日に音楽レッスン教室で講師をするなど、副収入を伴うような趣味も続けることができます。
4 接客せずに調理だけやりたい方
調理の仕事をしたい人の中には「接客とかはしたくない」という方も多いのではないでしょうか?
飲食店に就職すれば、ある程度の接客業務はやらなければいけない場面が必ず出てくるものです。
学校給食の調理の仕事には接客やレジ仕事は一切無いので、「接客せずに調理だけやりたい!」という方にも向いている仕事です。
また、飲食店に就職すればそのお店のジャンルの料理しか作れるようにはなりませんが、学校給食は基本毎日献立が違うので様々なジャンルの料理か覚えられます。
つまり学校給食の経験があれば、給食の仕事から他の調理の仕事へと転職する際にも選択肢の幅が広がります。
5 調理の技術や知識が乏しくて不安な方
学校給食の仕事は意外と、高い調理技術や高い料理の知識は必要としません。
勿論それらがあるに越したことはありませんが、必須ではありません。
特殊で高度な調理は学校給食では行わないので、高い包丁技術もとくに必要としません。
学校給食の場合には、献立や調理手順は学校栄養士が作成したものに従って進めるのが基本です。
つまり極端な話、調理に必要な情報は全て栄養士からの作業指示書に記載されているので、それに従い進めれば問題なく給食が作れます。
センスとか最低限の料理の知識とかは、そんな日々の仕事の中から自然と身に付いていきます。
なので「調理の技術や知識が乏しくて不安…」という方こそ、学校給食の仕事には向いています。
6 飲食店では丁寧すぎて作業が遅く “使えない人扱い” になっちゃってる人
飲食店では、仕事は丁寧だけど作業が遅くて「使えない」とか言われてしまっている人は、はっきり言って、学校給食の仕事にめっちゃ向いています。
学校給食の仕事は早いだけ早くて仕事が雑な人は向きません。
仕事の雑さはカバーしきれませんが、仕事の遅さは先輩がカバーできるので、仕事が遅くても丁寧な作業をする人の方が安心して仕事を任せられるのが、学校給食の仕事の特徴でもあります。
突然入ってきたお客さんに対応する回転率重視の傾向が強い飲食店とは違い、学校給食の仕事は基本的に事前に立てた計画通りに進められる仕事なので、そもそも求められる素質が飲食店とは異なります
とは言え、もちろん限度があるので程々に手の抜き方も覚えていく必要はありますが(^_^;)
7 コミュニケーションが「得意」又は「好き」又は「苦手じゃない」方
コミュニケーションが得意な方は学校給食の仕事に向いています。
とは言え実際、学校給食の仕事もまだまだ「無口で話が苦手」という職人さんが多い世界なので、そういう人は働けないという意味ではないので安心してください。
ただ、コミュニケーションが得意な人は出世が早いです。
学校給食の仕事はチームで一つの料理を仕上げていくという仕事なので、優れた包丁技術を持っているだけの人よりかは断然出世が早いです。
「人間関係」をはじめ、学校給食の正社員に必要な「知識」や「能力」についてはこちらでまとめているので参考に▼
8 子供が好きな方
子供が好きな方は学校給食の仕事に向いています。
調理をメインに行う社員としては「子供好き」というだけで当然、愛情を込めた丁寧な作業で料理を作ることができるでしょう。
学校の中で子供達と接する機会の多いパートとしては、仕事と割り切るのではなく楽しんで仕事ができるので、それが子供達には必ず伝わります。
それは巡り巡って会社の価値を高めることにも繋がるので、会社としても一番欲しい人材と言えるでしょう。
▼ 学校給食で働く10のメリット(楽な部分)
では、学校給食の仕事を選んだ調理員がみんな口にする【給食で働くメリット】や、他の調理の仕事と比べ学校給食の仕事が「楽」と言われる理由はこの10点にあります。
給食の仕事10大メリット( ・ิω・ิ)
1 明るいうちに家に帰れる。
2 年末年始は普通に休めるし夏休みもある。
3 新メニュー考案とかしなくていい。
4 パートの面接はしなくていい。
5 事務仕事はほとんど無い。
6 食材発注・接客・レジが無い。
7 地震が起きても学校なら安心。
8 制服だから服選びが楽。
9 仕事は午前でほぼ終わったも同然。
10 食中毒予防の専門家になれる。
1 明るいうちに家に帰れる
学校給食は飲食店とは違い1日に作るメニューは1つで、日によって客数の増減もなく、給食提供時間も毎日決まっているため、基本的に残業がほとんどありません。
残業したくても仕事がありません(笑)。
朝は早いですが、午後4時には仕事が終わります。トラブルなどがなければ遅くても5時までには帰れます。
なので冬場でもまだ明るいうちに仕事を終えて家に帰ることができます(^o^)v
とくに読まなくても大丈夫ですが(笑)、給食の仕事にも多少の時間外労働が発生する場合もあるので、そのへん細かく知りたい方はこちらも▼
2 年末年始は普通に休めるし夏休みもある
● 土日祝日は当然休み。
● 中学校ではテスト休みもある。
● 夏休み・冬休み・春休みはもちろん休み。
学校給食の仕事は調理業界一休みが多いのが特徴ですが、学校が休みの年末年始も当然休みになります。
夏休みもガッツリほぼ1ヵ月間休みです。
同僚に気を使いながら有給を使う必要もなく、休むために嘘の理由を考える必要もありません。
3 新メニュー考案とかしなくていい
ホテルとかレストランとか、“意識高い系” の職場だと営業時間外に新メニューの考案とかに多くの時間を割かなくてはいけませんが、学校給食の仕事に新メニュー考案の仕事は全くありません。
メニュー作成は全て学校の栄養士の仕事なので、その栄養士のイメージした料理にできるだけ近づけるのが調理員の仕事です。
もちろん、新人がまかない担当になるというような “苦行” も給食の仕事にはありません。
4 パートの面接はしなくていい
学校給食調理員にはパートの面接の仕事がありません。
パートの面接は全てエリア担当マネージャーの仕事なので、現場で働く調理員はパートの面接をする必要がありません。
5 事務仕事はほとんど無い
現場の給食調理員は飲食店の社員に比べ圧倒的に事務仕事が少ないのも特徴的です。
料理の世界には事務仕事を苦手としている人が多いものですが、現場で働く給食調理員は毎日学校へ提出する書類を数枚作成するくらいしか事務仕事がありません。
もちろん責任者ともなれば、会社への報告書類などの事務仕事も増えますが、それでもレストランの料理長に比べれば圧倒的に少ない事務作業です。
6 食材発注・接客・レジが無い
学校給食調理員の仕事に食材の発注業務はありません。
飲食店だと食材の発注って結構時間がかかるし、ミスると大変ですよね。営業ができなくなっちゃうので自腹で買い出しに走らされるブラックな飲食店も未だにあるでしょう。
学校給食の場合は食材を発注するのは全て学校の栄養士の仕事です。
ですがラップやペーパータオルなど、食材以外の資材発注の仕事は一部あります。
そして学校給食は飲食店ではないので接客もレジ業務もありません。
飲食店ではよくある店頭に立っての呼び込みも、駅前でのチラシ配りも、どうやって客数を上げるかとか、客単価がどうとか、そういう仕事は学校給食には全くありません。
なので学校給食の仕事では売上アップを目指す必要がないので当然、売上の低下が評価に影響するということもありません。
ちなみに給食の仕事とは関係ありませんが、児童・生徒の給食費の集金も現在は保護者が直接教育委員会の口座へ支払う方式になっているので、先生が保護者へ給食費の催促をすることもなくなり、「めっちゃ楽になって嬉しい〜♪」と先生が喜んで話していました(^^)
7 地震が起きても学校なら安心
学校施設というのは耐震構造バッチリなので地震が起きても安全度の高い施設です。
日本は地震大国でこれからもいつどこで地震が起きてもおかしくはない状況ですよね。
とくに大都市の地下街とか古いビルに入っている飲食店だと不安に思いながら毎日働いている方も多いでしょう。
ですが学校給食の仕事なら安心です。
2011年の東日本大震災以降に建てられた新校舎ならば耐震構造バッチリなのは勿論のこと、古い校舎の学校でも2011年以降に一斉点検され、耐震基準を満たしていない学校は改修がなされています。
学校給食の仕事は地震に対しても日本一安全度の高い職場と言えます。
8 制服だから服選びが楽
学校給食は制服(白衣)を着ての仕事なので毎日の服選びが無く楽です。
社員であっても出勤服はスーツである必要もありません。
流石に学校へ出勤するのでジャージやサンダルではまずいですが、仕事着は会社から支給された制服を着るのでオシャレを気にする必要もありません。
9 仕事は午前でほぼ終わったも同然
学校給食の仕事はもちろん最初から最後まで全て大事な仕事ではありますが、メインの給食作りの仕事は午前中で終了するので、集中して気を張って働くのは午前中で終了です。
午後は洗い物と清掃なので、こんな言い方をしてはアレですが、午後の仕事は楽ですヽ(^。^)ノ
僕も午前中の仕事が終われば「あ〜今日の仕事 “全部” 終わった〜\(^o^)/」という気持ちで毎日働いていました。
終電で帰るレストランで働く人達に申し訳ない気持ちになるくらいでした(笑)。
10 食中毒予防の専門家になれる
「学校給食の仕事の半分は清掃」と言われるくらい、給食の仕事は給食を作るのと同じくらいに、いやそれ以上に徹底した衛生管理を行います。
なので、学校給食で働いていれば嫌でも食中毒予防の専門家になります。
学校給食の衛生管理とはつまり「食中毒予防」なので、家庭でもどこでも一生使える知っていて損はない知識を学ぶことができます。
ちなみに、僕が給食の仕事を辞めてから続けている飲食店のバイトで僕の学校給食での衛生管理の知識を買われ、調理技術と衛生指導担当の本社所属の社員にならないかと誘われたことがありました。(いろいろあって断りましたが笑)
つまり、学校給食の仕事で学べる衛生管理の知識は、他の調理業界に転職する場合にもめっちゃ使えます(^^)v
▼ 学校給食の仕事7つのデメリット(大変・きつい部分)
メリットがあればデメリットもあり、楽な部分もあればもちろん学校給食の仕事には大変な部分もあります。
学校給食で働く【デメリット】と、他の調理の仕事と比べて学校給食の仕事が「大変!」「きつい!」と言われる部分はこの7点です。
給食の仕事7大デメリットΣ(゚Д゚)
1 給料が安い。
2 夏は暑く冬は寒い。
3 衛生管理がやたらと厳しい。
4 アレルギーへの責任が重い。
5 腰痛になりやすい。
6 人間関係がややこしい(場合もある)
7 女性はメイクができない。
1 給料が安い
学校給食の仕事は残業もほとんど無く休みも多い仕事なので、その分給料は安いです。
僕の場合には29歳での採用だったので、年齢と今までの経験を考慮し、それでも最初は額面で月に20万円ほどの給料でした。
新卒とかだと16万円〜、ベテラン調理員でもマックス30万円くらいが限度です。
そういうのもあるので、仕事が休みの日には副業でお金を稼いでいる調理員も多いです。
2 夏は暑く冬は寒い
学校給食の現場は「夏は暑く冬は寒い」というのがまぁ、全国的には未だにこういうのが一般的です。
古い給食室がまだまだ多いので、冷暖房の設備が無い学校も多いです。
3 衛生管理がやたらと厳しい
とにかく学校給食の仕事は食中毒を起こしたら終わりなので、衛生管理がやたらと厳しいことで有名です。
僕も最初は想像以上で驚きました。
どんな衛生管理の厳しさなのかというと例えば、
● ノロウイルスに感染したら出勤停止。
● トイレの使用手順が細かく決められている。
● 異物混入があればその都度教育委員外へ報告が行く。
● 使い捨て手袋・料理の温度管理・手洗いの方法がとにかく厳しい。
などなど、挙げればキリがありませんが、こういうことに
謙虚に真面目に取り組める人でないとなかなか学校給食の仕事は続きません。
4 アレルギーへの責任が重い
食中毒予防のための衛生管理の厳しさはもちろんですが、それ以外にも学校給食には「アレルギー対応」という責任の重さが特徴でもあります。
これは学校にもよりますが、全国のほとんどの学校給食ではアレルギー食の対応も受けているので、児童・生徒一人一人に対応したアレルギー食も作らなければいけない場合が多いです。
でもアレルギー対応食は責任重大な仕事なので、新人一人に押し付けられるということはなく、責任者が最終的に仕上げるのが基本なのでその点は安心してください。
5 腰痛になりやすい
学校給食は1日にまとめて何百食という料理を作るので使う食材も大量で、とくに女性は腰を悪くする人が結構多いのも事実です。
現場では女性パートに重い荷物を持たせたりすることはほとんど無いのでパートの場合にはそれほど身体の心配はありませんが、とくに女性社員の場合は注意が必要ですね。
給食の社員ならば女性でもこんな感じに大量の具材を炒めたりといった調理も行わなければいけません。
ちょっと専門的な話になってしまいますが、炒めものをする場合、「具材をずっと動かし “混ぜ炒め” しなきゃ火が通らない」という思い込みから、給食の大量の具材でもそうして頑張りずっと炒め続けて身体を壊す女性が多いです。
ですが具材に “火を通す” という意味においては、頑張って大釜の中で具を動かし混ぜ続けるよりも、具を集めて山にし手を休め「蒸す」方が実は火は通りやすいんです。
なので給食の大量調理は女性の弱い力でも工夫すれば身体を痛めずに行うことができる仕事です。
もし今後学校給食の仕事に就職し、そういう場面に出くわしても誰も楽な調理のやり方を教えてくれない(知らない)という場合には、このことをちょっと思い出してみてください。
そんな学校給食の仕事ですが、今では女性を積極的に採用する会社が増えてきており、何より国が今は「女性活躍社会」と謳っているので、女性でも働きやすい環境整備を給食室でも進めています。
例えば、仕事の中で身体を壊さない女性のための研修や、女性でも楽に仕事ができるような調理用具の設備など、これからは更に進んでいくことなるでしょう。
学校給食の仕事の職業病「腰痛」と「腱鞘炎」についの予防方法はこちらから▼
6 人間関係がややこしい(場合もある)
学校給食の正社員は今でもまだ男性が多いですが、パートは圧倒的に女性が多いです。
なので、「なので」と言ったらアレなんですが(笑)、基本的に毎日同じ女性のパート5〜6人の集団と一緒に働くことになるので、とくに女性同士の人間関係に馴染めないとなかなか苦労します。
男性はわりと人間関係はサラリとしているものですが、男性社員でも女性パートの集団のトラブルにも目を配らせなくてはいけないので、僕も結構そのあたりは苦労しました(^_^;)
7 女性はメイクができない
これは僕が学校給食で働いていた当時にふざけて撮った写真なんですが、
顔全体がこんな感じに覆われていて、尚且つ、夏場は汗がすごいので女性はメイクができません。してもいいんですが、汗でボロボロになります(笑)。
もちろんピアスやつけまつ毛は異物混入になるのでNGです。マニキュアなども衛生的に良くないのでNG。
なので仕事中のオシャレはできません。
ですが、学校給食で働くパートさんは「自分だけじゃなくみんなノーメイクだし面倒だから逆に楽」ということで、メイクができないことをむしろメリットと感じていると、僕が一緒に働いたパートさんが話していました。
確かに!と僕もその話を聞いたときに納得しました( ・ิω・ิ)
あと、バレなければ大丈夫だと思いますが、タトゥーももちろん禁止ですね。日本の学校なので。
▼ 学校給食調理員の1日の仕事の流れ
では最後に、学校給食の1日の仕事の流れを簡単に説明するので、給食の仕事というものをもう少し具体的にイメージする際に参考にしてみてください。
社員は7時頃学校へ出勤します
大体どこの学校でも社員は朝7時頃出勤します。(学校によって前後30分くらいの差はあります)
服装はサラリーマンのようにスーツでなくて大丈夫ですが、近隣からは「学校へ入っていく人はみんな先生」と思われているため、学校の職員として相応しいそれなりの服装で出勤します。
7時15分頃から作業開始
制服に着替え今日1日の仕事の流れを再確認したら仕事が始まります。
パートは9時頃の出勤なので、社員はそれまでに、
● 業者から食材を受け取る。
● 米をとぐ。
● 調味料の準備。
● 野菜を洗ったり、卵を割ったり、肉に下味を付けたり。
などの作業を行います。
9時頃にパートが出勤しみんなで料理の下準備
パートが出勤したら野菜を切ったりといった料理の下準備をみんなで行います。
献立によっては一部の社員はもう調理を開始します。
料理の下準備の手が足りていれば、パートは調理器具を洗浄したり、各クラスの食器の準備を行います。
学校のクラスの数や生徒の人数にもよりますが、食器の準備には1時間くらいかかるという、結構な大仕事です。
10時頃に一旦休憩を挟むことも
献立によっては一旦落ち着く10時頃に少し休憩を挟むこともあります。
これも献立によりますが、シンプルなメニューの日だと長ければ40分とか休憩できる日もあります。
もちろんこの間もパートは時給が発生するので、これが飲食店とは違って給食のパートはお得ですね(^_-)v
給食の調理は社員がメインで行うため、献立によっては社員は先に抜けて調理を続けることもあります。
11時頃に給食が仕上がります
学校の給食は「できるだけ直前に仕上げる」というのが基本なので11時頃に集中して料理が仕上がってくるため、この時間が給食の仕事の中で一番の “ピークタイム” ですね。
社員パートみんなで仕上がった料理をクラスの人数分箱に詰めたり、味噌汁を計量しながら分けていくといった配缶作業です。
11時40分頃から給食をクラスに運ぶ
学校によっては、給食当番の児童・生徒が直接給食室に給食を取りに来るパターン。
学校の階毎に設置してある配膳室と呼ばれる部屋にパートがその階のクラスの給食を運び、その配膳室に児童・生徒が給食を取りに来るパターン。
完全にクラスの前までパートが給食を運ぶパターン。
学校によって給食の運び方には違いがありますが、基本この配膳作業はパートが行います。
社員はこの時間何をしているのかというと、調理に使った機器の清掃をしたりします。
調理に使う機器とは、
(スチームコンベクションオーブン)
(炊飯器)
こういう大きな調理機器が給食室にはたくさんあるので、基本的にこういうものは社員が清掃しメンテナンスを行います。
12時頃にみんなでお昼休憩
どこの学校でも給食の時間は大体12時頃なので、給食調理員もパートもみんな一緒に校内放送なんかを聞きながらのお昼休憩です。
学校給食で働く人たちも児童・生徒と同じ給食を食べるのがどこの学校でも現在普通のことなんですが、
「もし給食で食中毒になって調理員まで全滅したら誰が明日から給食作るのよ!?」
ということで、これからはもしかすると給食の仕事の人は給食が食べられない時代が来る、、かもしれません。
給食を食べたい大人は今すぐに学校給食で働きましょう!ε≡ヘ(゚Д゚)۶
13時頃から洗浄作業
給食の時間が終われば食器や食缶の洗浄作業が始まります。
全クラスの食器が一斉に給食室に戻ってくるので、
社員パート全員での洗い物です。
洗うものは食器だけではなく、
こういうバット類も全クラス分洗わなくてはいけないので、この作業には大体1時間〜1時間半くらいの時間がかかります。
一通り目処がつけば、一部のパートは洗浄作業を抜けてトイレ掃除や休憩室の掃除に入ります。
15時頃にパートの仕事が終了
15時頃までにはパートの仕事が終了するというのが学校給食のパートの仕事の基本です。(会社によっては16時まで、17時まで、逆に14時までという場合もあります)
この15時のパートの仕事終了に合わせて社員も調理室内に残っている仕事はほぼ終わらせます。
社員は15時頃から明日の作業確認など
パートは15時頃に仕事が終わりますが、社員はもう少し仕事が残っています。
● 調理室内の火の元などの最終確認。
● 栄養士との翌日の打ち合わせ。
● 翌日の作業計画表の作成。
● 学校への提出書類の作成。
翌日のスムーズな仕事の流れはここの「打ち合わせ」で全てが決まるので、社員にとってはこの時間がすごく重要です。
建築で言えば「設計図」をここで仕上げるというイメージです。
16時頃に全ての業務が終了
16時頃には1日の全ての業務が終了します。
明るいうちに家に帰れますね(^o^)v
その日の献立内容の大変さにもよりますが、普通の会社では残業はいくらでも好きなだけできるかもしれませんが、学校では「業務終了時間」もある程度契約段階で決められているため、無駄に早く出勤したり無駄に遅くまで残業したりは基本できません。
なので「サービス残業」という言葉も学校給食の仕事にはありません。
これは本当は当たり前なんですが、給食の仕事は勤務時間的に素晴らしい労働環境と言えますね(*゚∀゚)
▼ これから学校給食で働くためのステップ1・2・3
これから学校給食調理員を目指す方へ学校給食で働く方法を紹介します。
Step1 調理師免許を取る(パートならば必要ない)
学校給食で働くためには、パートであれば必要ありませんが、正社員採用だと「調理師免許」を持っていることが必須の条件です。
調理師免許を持っていないという方は、まずは自分がどういう方法で調理師免許を取ることができるのかを調べてみましょう。
社会人からでも調理師免許を取る方法を詳しく解説しているこちらも参考にしてみてください▼
Step2 給食委託会社で面接を受ける
正社員希望の方は調理師免許を持っていれば給食会社の面接を受けることができます。
求人はハローワークで探せばどこかしら見つかりますが、面倒な方は求人サイト最大手のリクナビNEXTにも学校給食正社員の求人が多くあるので一度探してみてください。
他の転職サイトも見てみたいという方は、僕のおすすめする転職サイトを詳しく解説しているこちらも参考に▼
パート希望の方であれば調理師免許がなくても働けるので、希望する勤務地で求人を探してみましょう。
給食の仕事のパート求人はタウンワークに比較的多くの求人があるので一度検索してみてください。
「もう少し給食のパートの仕事内容について具体的に知りたい」という方は、パートの仕事内容をまとめたこちらの記事も参考に▼
Step3 採用されれば学校給食調理員です(^^)v
会社の面接を受け採用になればこれであなたも学校給食調理員です!٩(^o^)۶
もう決まった方もまだの方も、学校給食で働くにあたり事前に知っておいた方がいいと思うこちらの内容についても、ぜひ一度覗いて確認してみてください。
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▼ 学校給食の仕事の【給料】【夏休みの給料の仕組み】【会社の採用基準や面接のポイント】について
学校給食で働くにあたり気になるのがやっぱり、
● 具体的に給料っていくら位なの?
● 休みが多いのはわかったけど、夏休みの間の給料ってどうなるの?
● 給食会社の採用基準とか、初めてだから面接でのポイントを知りたい
この3つじゃないでしょうか。
とくに「給料」と「夏休みの仕組み」については僕も当時よく知らずに給食会社に入社したので不安だったことをよく覚えています。
このあたりのことについてはこちらで詳しく解説しているので参考にしよく考えて決めてみてください(^_-)
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学校給食の給料について
● 初任給〜ベテランまでの給料
● ボーナス
● 年収
● 男女間の賃金格差
についてはこちら▼
夏休みの出勤日数 & 給料の仕組みについて
● 夏休みの出勤日数
● 夏休みの給料
● その他春休み・冬休み等の長期休みの仕組み
についてはこちら▼
学校給食で採用されるためのポイント解説
● 採用基準
● 志望動機
● 面接のポイント
についてはこちら▼