こんにちは。毎日仕事で次亜塩素酸を使いまくっていたので感覚が麻痺していたが、一度原液が目に入り病院で洗浄してもらってから次亜塩素酸の危険性に目覚めた元学校給食調理員の雲藤テルオです。
次亜塩素酸ナトリウムは本当に危険です。特に濃度を守らないと危険です。
厚生労働省では次亜塩素酸ナトリウムを使う場合
● 衣類に使う場合はこれくらい…
● 食器に使う場合はこれくらい…
● 食品に使う場合はこれくらいの濃度で…
といったように、原液をドボドボと適当に入れてなんとなく薄めるのではなく「安全な濃度」 という基準があるんですね。
そこで今回は、濃い濃度の次亜塩素酸ナトリウムの原液を用途別に希釈するための計算方法について解説します。
ついでに、次亜塩素酸を食品に使用する場合の注意点についても話しますので、もし食品に使う場合にはそっちも是非参考にしてみてください。

危険な次亜塩素酸ナトリウムを使わなくても食品を安全に消毒するおすすめの方法も最後に紹介しているので、気になる方は是非そっちも見てってね(^_^)v
もくじ
次亜塩素酸ナトリウムの「濃度」とは?
次亜塩素酸ナトリウムというのは要するにスーパー等で売られている塩素系漂白剤のことです。プールや水道水にも使用されている漂白剤、殺菌剤の一つ。
更に、次亜塩素酸ナトリウムは日本国内において食品添加物にも指定されているので、コンビニ等で売られているカット野菜や果物にも一部使用されています。
次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合には、
● 食品以外のものに使用する場合
● 食品に使用する場合
と、大きくこの2つに分けて使用濃度の基準を厚生労働省が公開しています。
■ 次亜塩素酸を食品以外に使用する場合
次亜塩素酸ナトリウムを家庭で使っている方は主に食器の漂白やドアノブ等の消毒として使用していますよね。
■ 次亜塩素酸ナトリウムの使用濃度基準(厚生労働省)
● おう吐物の付着した衣類などは1000ppmに希釈
● 食器やドアの取っ手等の消毒には200ppmに希釈
● おう吐物の付着した衣類などは1000ppmに希釈
● 食器やドアの取っ手等の消毒には200ppmに希釈

「ppm」とかについてはこの後詳しく説明するからちょっと待っててね(*>o<*)
厚生労働省ではこのように、用途別に次亜塩素酸の適切な使用濃度を公開しています。
食品に使う場合には更にもっと細かい使用基準があります。
■ 次亜塩素酸を食品に使用する場合
市販の塩素系漂白剤は家庭でも消毒のために食品に使用することができます。
■ 次亜塩素酸ナトリウムを食品に使用する場合の使用濃度基準(厚生労働省)
● 食品に直接使用する場合は100〜200ppmに希釈
● 食品に直接使用する場合は100〜200ppmに希釈

「ppm」とかについてはこの後詳しく説明するからちょっと待っててね(*>o<*)
厚生労働省ではこのように、次亜塩素酸ナトリウムを食品に使う場合の濃度や注意点を公開しています。
「食品」とは人間が直接口にするものなので、次亜塩素酸を食品に使用する場合にはドアノブの消毒などよりも注意が必要です。
「適切な濃度」は勿論のこと、食品衛生法では「食品の最終完成品前までに分解または除去すること」 という決まりもあります。

つまり、「食べる前に次亜塩素酸をちゃんと水で洗い流してから食べてね」 ということ。
消毒のための次亜塩素酸水溶液の作り方
%表示からppm(液体濃度)に直す計算方法
市販の塩素系漂白剤には主に「% (パーセント)」で表示がされていますが、次亜塩素酸希釈の計算には「ppm (ピーピーエム)」単位を使いますので、%をppmに直す計算方法 を覚えておきましょう。

「ppm」って何?

「ppm」とは液体の濃度を表す単位だよ(^^)v
計算式は簡単です。
ppm = % × 10,000
この計算式で次亜塩素酸ナトリウムの原液の濃度が何ppmなのかが分かります。
● 原液濃度100% → 100万ppm
● 原液濃度10% → 10万ppm
● 原液濃度1% → 1万ppm
● 原液濃度0.1% → 1,000ppm
● 原液濃度0.02% → 200ppm
● 原液濃度0.01% → 100ppm
● 原液濃度0.001% → 10ppm
● 原液濃度0.0001% → 1ppm
この計算式に当てはめてみるとこのような感じになりますね。
それではこれを踏まえて次亜塩素酸の希釈の計算方法を解説します。
用途別の次亜塩素酸の希釈の計算方法
使用する次亜塩素酸ナトリウムの原液の量を出すための計算式はこれ。
使う原液の量(ml) = 作りたい水溶液の量(ml) ÷ (原液濃度(ppm) ÷ 作りたい濃度(ppm))
これで作りたい濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を作ることができます。
厚生労働省が公開している用途別の希釈の目安は
● おう吐物の付着した衣類などは1000ppmに希釈
● 食器やドアの取っ手等の消毒には200ppmに希釈
● 食品に直接使用する場合は100〜200ppmに希釈
なので、これを基にいくつか計算してみましょう。
実際に計算してみよう
いくつかの例をあげで実際に計算してみましょう。
■ おう吐物の付着した衣類を漬け込む消毒液(1,000ppm)を作る場合
原液濃度100,000ppm(10%)の次亜塩素酸を使用して、1,000ppm濃度の消毒液を3,000ml(3リットル)作る場合。
3,000÷(100,000÷1,000)=30
となるので、使用する次亜塩素酸原液の量は30mlであることが分かります。
なので、次亜塩素酸原液30mlと水2,970mlを混ぜれば1,000ppmの消毒液を3リットル作ることができます。
原液濃度100,000ppm(10%)
3,000÷(100,000÷1,000)=30
となるので、使用する次亜塩素酸原液の量は30mlであることが分かります。
なので、次亜塩素酸原液30mlと水2,
■ 食器やドアノブに使用する消毒液(200ppm)を作る場合
原液濃度100,000ppm(10%)の次亜塩素酸を使用して、200ppm濃度の消毒液を1,500ml(1.5リットル)作る場合。
1,500÷(100,000÷200)=3ml
となるので、使用する次亜塩素酸原液の量は3mlであることが分かります。
なので、次亜塩素酸原液3mlと水1,497mlを混ぜれば200ppmの消毒液を1.5リットル作ることができます。
原液濃度100,000ppm(10%)
1,500÷(100,000÷200)=3ml
となるので、使用する次亜塩素酸原液の量は3mlであることが分かります。
なので、次亜塩素酸原液3mlと水1,
■ 食品に使用する消毒液(100ppm)を作る場合
原液濃度60,000ppm(6%)の次亜塩素酸を使用して、100ppm濃度の消毒液を1,000ml(1リットル)作る場合。
1,000÷(60,000÷100)=1.6ml
となるので、使用する次亜塩素酸原液の量は1.6mlであることが分かります。
なので、次亜塩素酸原液1.6mlと水998.4mlを混ぜれば100ppmの消毒液を1リットル作ることができます。
原液濃度60,000ppm(6%)の次亜塩素酸を使用して、
1,000÷(60,000÷100)=1.6ml
となるので、使用する次亜塩素酸原液の量は1.6mlであることが分かります。
なので、次亜塩素酸原液1.6mlと水998.
パターン化しておくと簡単安全

なんかいちいち計算するの面倒くさいし、数字が細かい…ヘ( ´Д`)ノ
作りたい消毒液の量が少なく原液濃度が低いほど細かな数字になって面倒ですね。
市販の次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は6%のものが結構一般的なので、計算すると作りたい量によっては面倒な数字になってしまいます。
こういう計算がいちいち面倒な方は、厚生労働省が公開している目安の表を利用してみましょう。

この表を見ると、6%濃度の次亜塩素酸を使用して200ppmの消毒液を作るのであれば、水3リットルに対して使用する次亜塩素酸原液は10mlです。
ちなみに、500mlペットボトルのフタが丁度5mlなので、このフタ2杯分ということになります。
100ppmの消毒液を作る場合にはその半分のフタ1杯分ということになりますね。
考え方としては、例えば市販の1.5リットルペットボトルに1.5リットルの200ppm消毒液を作る場合は、フタ1杯分の次亜塩素酸原液を先に入れてから水を満タンにすれば200ppmの消毒液が簡単に作れます。

先に原液を入れてから水を足して満タンにするという方法が一番簡単で確実な濃度になるよ(^^)v
使う原液の量はキリの良い数字の方が簡単で安心なので、家庭で作る場合には作る容器と量をパターン化しておくと良いでしょう。
ただ、次亜塩素酸水溶液は時間が経つに連れて消毒の効果か弱まるという性質があります。それに、空いたペットボトルに入れて台所等に置いておくと「間違って飲んでしまう」 等の事故に繋がる可能性もあります。
なので、一度で使い切りにし残ったら必ずすぐに捨てるか、残しておく場合には絶対に間違いがないようにペットボトルにマジックでしつこいくらいに「危険!」と書きまくるか、こういう専用の詰め替えボトルを使って絶対に間違いが起こらないようにしておきましょう。
ノロウイルス対策として生食野菜·果物に次亜塩素酸を使用する場合の注意点
次亜塩素酸ナトリウムは本当に取り扱いが危険です。
次亜塩素酸の何がそんなに危険なのかはこちら▲も参考にしてほしいんですが、
どうしても生食の食品に次亜塩素酸を使用する場合には次の4点に注意しましょう。
① 使用できる食品と濃度を守る
② 浸漬時間を守る
③ 水全体に混ぜる
④ 素手で触らない
① 使用できる食品と濃度を守ろう
「濃度を守る」というのはこれまで話してきた通りですが、「次亜塩素酸を使用することができる食品」 のみに使用しましょう。
次亜塩素酸ナトリウムを使用することができる食品も厚生労働省によって明確に定められています。
■ 食品衛生法に基づく使用基準(次亜塩素酸ナトリウムを使用することのできる食品)
● 生食用野菜
● かんきつ類(菓子製造に用いるものに限る)
● さくらんぼ
● ぶどう
● 桃
● 卵類
● ふき
● 生食用野菜
● かんきつ類(菓子製造に用いるものに限る)
● さくらんぼ
● ぶどう
● 桃
● 卵類
● ふき
厚生労働省では、これら以外の食品に使用してはいけないとしています。
これらの食品に使用する場合にも注意事項があります。
● 表面の殻や皮部分への使用に限る。
● 浸漬液1kgにつき0.5g以下に薄めて使用すること。
● 食品の最終完成品になる前までに分解または除去しなければいけない。
といったものです。
まずはこれらをきちんと守って使いましょう。
② 浸漬時間を守ろう
100ppmなら約10分間、200ppmなら約5分間食品を浸漬させながら消毒し、その後は次亜塩素酸が残らないようにしっかり流水で洗います。
③ 水全体に混ぜよう
食品を次亜塩素酸ナトリウムで消毒する場合、

水の入ったボウルに野菜をてんこ盛りに入れて、その上から次亜塩素酸の原液をたらして、手でパシャパシャってやってるよ〜ヽ(^。^)ノ

こういうやり方は✕です。
想像すれば分かると思いますが、これでは次亜塩素酸が全体に混ざらず、一箇所だけに濃い濃度の次亜塩素酸の固まりができてしまい危険です。
飲食店で野菜を食べて「何かにゅるにゅるして塩素臭いな…」と感じた経験はありませんか?
これは、その従業員が横着して✕なやり方をしていたため塩素が水で洗い流しきれていないということです。

めっちゃ危険だよ!!
最初に水に原液を入れて水全体に次亜塩素酸を混ぜてから消毒する野菜や果物を入れるようにしましょう。

④素手で触らないようにしよう
生食の野菜や果物を次亜塩素酸で消毒するという方は、食中毒予防の意識が高い方ですよね。
生食用として消毒している生野菜や果物を素手で洗っては意味がないので、使い捨て手袋を使用するのがより安全です。
次亜塩素酸の特に原液が肌に付着すること自体が危険だし、せっかく食品のノロウイルスを除去してもノロウイルスの着いた手で食品を扱えば今までの工程が全て無駄になってしいます。
次亜塩素酸を使わずに食品を消毒する安全な方法

やっぱり「塩素」って、もし子供が口にしたら危険だから本当は使いたくないんだよなぁ…
食品の消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効ですが、塩素を使わなくても食品を「加熱」することでノロウイルスやその他の食中毒菌を除去することができます。

学校給食で「生野菜」ではなく「茹で野菜」にして提供する学校が多いのはそのためなんだ(^_^)
学校給食では食中毒予防のために全ての食材に火を通すのが基本です。
是非学校給食の調理現場でも行っている加熱による食中毒予防も参考にしてみてください
そして食品以外の消毒にも、実は危険な次亜塩素酸ナトリウムじゃなくても安全なアルコールでノロウイルスを除去できる方法があります。
キューピーのケイブランシュというアルコール除菌スプレーです。
このキューピーのケイブランシュはアルコールでありながらノロウイルスも除去できるという優れもの!(゜o゜)
塩素系の漂白剤は万が一子供が口にしたら危険ですが、ケイブランシュは「タマゴの成分」と「アルコール」と「水」という、食品由来の成分から作られているので口に入るものにも安心して使えます。

万が一子供の口に入っても「食品由来だから安全」ってのは嬉しい!(^_^)
危険とは知りつつも仕方なく塩素系漂白剤でノロウイルス対策をしているお母さんは、安全なキューピーのケイブランシュがめっちゃおすすめです!
現在キューピー公式サイトでは消毒液の急激な需要の高まりにより製造が追いつかない為在庫が度々不足するようです。気になる方はamazonや楽天のネットショップも覗いてみてください。在庫切れの場合には他の人気が高いアルコール消毒液も参考に。
ケイブランシュの詳しい内容や効果的な消毒方法についてはこちらも参考に(/・ω・)/▼