和歌山集団食中毒事件で「磯和え」が原因メニューと特定!ノロ感染経路はトイレ後の手洗い不足か!?

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こんにちは。元学校給食調理員のテルオ(@undoteruo)です。
 
 
和歌山県御坊市の集団食中毒事件に関して、県が原因食材を磯和え」であると断定しました。
 
ちなみに前回、まだ原因食材の特定ができていない段階で僕も原因食材の特定に挑戦していました。
 
僕の結果も同じく「磯和え」との結論に達し、その磯和えに使われている詳しい食材が発表されていない中、「刻みのり」が使われているとの予想も一致しました。
 
僕が「磯和え」と結論付けるに至った経緯はこちらの記事をご覧ください。↓
 
 
原因食材は特定されましたが、磯和えにノロウイルスが付着するに至った経路はまだ特定されてはいないとのことです。
 
↑上の記事でも言及していますが、感染しているにしろしていなかったにしろ、人間が運び屋になったことは間違いありません。
 
結局のところ手洗い不足が原因ということになると思いますが、ではどこで手にノロウイルスが付着したのか。
 
一番可能性が高いのは「トイレ」です。
 
 
集団大量調理を行う学校給食施設では、実はトイレの使い方の方法が順番まで細かく定められています。
 
これは僕が実際に調理員として働いていた東京都世田谷区の場合なので、全国的な基準となっているのかは不明ですが、世田谷区のトイレ使用ルールは非常に理にかなっている方法なので家庭でも参考になると思います。
 
今日はウイルスを手で持ち歩かないためのトイレの使い方について詳しく紹介してみようと思います。
 
 
まずは現時点までに分かっている和歌山県御坊市のノロウイルス集団食中毒事件の内容から始めますので、早くトイレの使い方を知りたい方は「もくじ」のそれぞれのタイトルをクリックしていただければ希望の段落までひとっ飛びできます。
 




これまでに分かっている和歌山県御坊市のノロウイルス集団食中毒事件の内容

 
和歌山県御坊市の給食センターが作った給食を食べた幼稚園と小中学校の園児や児童生徒ら計719人がノロウイルスに感染しました
 
症状はいずれも26日夜から27日朝にかけて出ていて、県は28日、発症者の便からノロウイルスが検出され、市立給食センターで25日に調理された給食による集団食中毒と断定。
 
和歌山県は2月1日、先月30日午後5時時点までに判明した園児や児童、教職員ら合わせて804人あまりが下痢やおう吐、発熱の症状を訴えた集団食中毒について、先月1月25日に出された食中毒の原因食材の可能性が高いとされている塩ちゃんこと磯あえの検体をを調べた結果、磯和えの検体の一つからノロウイルスが検出されたと発表しました
 
磯和えには、下茹でをしたホウレンソウや、モヤシ、ちくわ、きざみのりが使われていました。
 
また、御坊市教育委員会は2次感染の防止などを理由に、市立幼稚園や小中学校を、2月1日まで臨時休園や臨時休校としていました。
 
和歌山県は引き続き感染経路の特定を急いでいます。
 
 
2017年1月25日に発生した和歌山県御坊市の集団食中毒事件、2017年2月18日に東京都立川市で発生した集団食中毒事件、2017年2月23日に東京都小平市で発生した集団食中毒事件。この3件全ての食中毒の原因は「同じ業者が製造している刻み海苔」であることが判明し、その業者の製造過程でノロウイルスが混入したことが原因であると判明しました。

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「磯和え」が原因食材と判明

 
↑上の前回の、僕が原因食材特定に挑戦する記事でも「磯和え」との結論に達しました。
 
僕はもう一つのメニューである塩ちゃんこに肉団子でも入っていない限りは磯和えだろうとの確信がありました。
 
その理由は、ノロウイルス集団感染の場合には食材どうこうではなく、その調理作業方法に問題がある場合が多いからです。
 
 
もし塩ちゃんこに肉団子が入っていた場合には、肉団子を手で丸める」ことによる作業上の問題と、その火の通りにくさに」という調理上の問題があります。
 
 
そして今回の原因食材と断定された磯和えの問題点はなんと言っても、最終的な温度確認をした後に他の食材やドレッシングと混ぜ合わせる」という非常に危険な作業工程が存在することでした。
 
磯和えからノロウイルスが検出されたということなのでおそらく、その混ぜ合せの作業は手で行っていた可能性が高いのではないか推測します。
 
勿論、よほどずさんな現場でない限り使い捨て手袋は使用していたと思いますが、
↑この記事でも指摘した通り、その手袋にも解決できない問題点があります。
 
 
 
原因食材は断定されましたので、次はノロウイルス感染経路の特定に段階は移ります。
 
最も可能性があるのは、トイレの使い方とその後の手洗い不足です。
 
 

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感染経路はトイレ後の手洗い不足!?

 
ノロウイルスは体内でのみ増殖するため、ノロウイルス感染者の排泄物には大量のウイルスが付着しています
 
聞くところによると、トイレ使用時にノロウイルスが手に付着しないトイレットペーパーの枚数はなんと、36枚と聞いたことがあります。
 
 
勿論、トイレでノロウイルスが拡散するのはトイレットペーパーの使用時だけではありません。
 
特に和式トイレであれば排泄時に広範囲にウイルスは飛び散りますし、トイレの水を流す時にもウイルスは飛び散ります。
 
ですので基本、トイレはノロウイルスにどこもかしこも汚染されていると考えるべきです。
 
 
そういったことから、実は、「ノロウイルスは手洗いが大切」と言われていますが、トイレに関しては手洗いだけでは不十分です。
 
いくら手を洗っても空気中に飛び散るノロウイルスは防げません。
 
トイレで用を足せば全身がノロウイルスに汚染されてしまうでしょう。
 
 
 
どんな方法でも完璧にノロウイルス付着を防ぐことは難しいですが、集団大量調理の学校給食の施設(東京都世田谷区の場合)では、その付着を極限まで抑えたトイレ使用基準が設けられています。
 
 

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学校給食でのトイレの使い方は全ての手順が決まっている。(東京都世田谷区の場合)

 
僕が実際に調理員として勤務していた東京都世田谷区の学校では、トイレの使用方法、その順番までが細かく決められていました。
 
 
僕も最初は「ちょっとやりすぎじゃない!?」なんて正直思って聞いていたんですが、現時点では一番安全性の高い方法です。
 
 
ちなみに世田谷区では、世田谷区内の小中学校に勤務する全ての調理員がそのトイレ使用基準を守れるように、世田谷区内の小中学校全校で調理員の使用するトイレを基準に合わせてつくっています。
 
 
そんな世田谷区のノロウイルス対策の最新のトイレ使用基準を解説と共に紹介します。
 
 

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トイレ使用の手順

 
トイレに入る前に上着を脱ぐ
 
まずはこの画像を見てください。
 
 
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世田谷区の小中学校の調理員用のトイレは全てトイレの空間と前室との2部屋構造になっています。
 
 
一番右がトイレの入口がある廊下です。
 
その入り口前でまず、上着を脱ぎます。
 
 
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それから前室へと入ります。
 
 
前室でズボンを脱ぐ
 
前室に入ったらそこでズボンを脱ぎます。(出来ればTシャツなど、下着以外は全て脱いだ方がより安全です)
 
 
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それからトイレへと入ります。
 
 
用を足し終わったら便座に座ったまま手を洗う
 
 
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トイレへ入ると便座のフタは下りていますので、フタを上げて用を足し、トイレットペーパーで拭き、そのまま手洗いシンクで手を洗います。
 
 
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丸印の所に手洗いシンクがあると思ってください。
 
世田谷区内の小中学校調理員用トイレ内には、必ず便座に腰を掛けたまま手の届く位置に手洗いシンクがあります
 
用を足し終わってからどこにも触れずに手が洗えるようにこういった構造になってます。
 
 
下着を履いてフタを下ろして水を流す
 
手を洗い終わったら下着を履き、フタを下ろしてから水を流します。
 
 
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これは、流す水の勢いでノロウイルスが空気中に飛び散るのを防ぐための方です。
 
なので最初のの段階では、前に使用した人がフタを閉じて水を流したため、必ずフタが下りた状態になっているんですね。
 
 
前室でもう一度手を洗い、ズボンを履く
 
 
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水を流したら前室へと戻り、手を洗います。
 
実は前室にも洗面台が用意されています。
 
水を流すためにフタに触れ、トイレ内のドアノブにも触れていますから、それらも念のために洗い流します。
 
それからズボンを履き、外へ出ます。
 
 
外へ出て上着を着る
 
 
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この段階になれば、トイレを使用する前の状態に戻っているということになります。
 
ここで上着を着ます。
 
 
 
これが世田谷区のトイレ使用手順の全てになります。
 
 

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家庭でもできるトイレの使い方まとめ

 
勿論一般の家庭にはこういった設備を設けてあるトイレは少ないでしょう。
 
というか、便座に腰を掛けたまま手の洗える位置に手洗いシンクがある家庭なんて多分ないと思います。
 
 
ですがここで一番大事なのは、手洗いもそうですが、ウイルスが空気中に飛び散るのをできるだけ最小限に抑えるということと、衣服にできるだけウイルスを付着させないということにあります。
 
 
学校の仕事場では廊下で下着になることなんてできないために前室が設けられていますが、家庭であれば外で脱ぐことは問題ないと思うので、トイレに入る前に衣服を全て脱ぐということで衣服にウイルスが付着することは最小限に抑えられます。
 
 
そしてフタを下ろして水を流すことはどこの家庭でも次のトイレ使用時からすぐに出来ることです。
 
まとめるとこうなります。
 
 
トイレに入る前に衣服を脱ぐ
フタを下ろして水を流す
衣服を身につける前に手を洗う
 
 
この3点はどこの家庭でも次のトイレ使用時からすぐに出来ることなので、ぜひこの世田谷区のトイレ使用基準を参考にして、大切な家族をノロウイルスから守ってあげてください。
 
 




テルオ的まとめ

2017年1月25日に発生した和歌山県御坊市の集団食中毒事件、2017年2月18日に東京都立川市で発生した集団食中毒事件、2017年2月23日に東京都小平市で発生した集団食中毒事件。この3件全ての食中毒の原因は「同じ業者が製造している刻み海苔」であることが判明し、その業者の製造過程でノロウイルスが混入したことが原因であると判明しました。
 
 
今日はノロウイルスに感染するリスクの一番高いトイレの使用に関して、東京都世田谷区の学校給食で採用されている最新のトイレ使用基準を紹介しました。
 
 
おそらく、和歌山の集団食中毒事件のノロウイルス混入ルートの調査でも、トイレからのウイルスの流れを重点的に調べていることと思います
 
そしておそらく、トイレ後の手洗いの不足により、ノロウイルスが付着した状態の手で磯和えの混ぜ合わせ作業を行ったというのが、ノロウイルスの辿った経路ではないかと推測します。
 
 
当たるかハズレるかは別として、ノロウイルスにおいてトレイが危険なことは間違いないので、ぜひ世田谷区のトイレ使用基準を参考にしてみてください。
 
 

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