死んだ母が娘の前に突然現れた話【父の自殺番外編②】

chichinojisatsu-5-1
 
 
こんにちは。僕は一人っ子なのに、なんだかんだで5人きょうだいのテルオ(@undoteruo)です。
 
前回までの内容はこちら
 
 
今日は、前回までの父親の自殺にまつわるエピソードとは違い、僕の母親の事について話そうと思います。
 

お母さんは死んだ

 
僕の両親にはそれぞれに離婚歴があり、それぞれの以前のパートナーとの間には子供がいます。父には2人の娘が、母には2人の娘と息子がいます。一人っ子のはずが、なんだかんだで僕は5人きょうだいです。
 
 
やってくれますね僕の両親
 
 
しかも父親は自殺し、故郷はアノ福島県ですし。
 
なかなかのもんです(笑)
 
 
 
さて、父親側のことは前回までに話したので、今日は母親の子供についての話にします。
 
僕の母親は、以前の旦那さんとの離婚の際に、こういう取り決めをしたそうです。
 
  1. 2人の子供は父親が引き取り育てる
  2. 「お母さんは死んだ」と教えて育てるので二度と子供には会わないように
 
どういう経緯でそうなったのか詳細は知りませんが、僕の母親はそういう取り決めの元、離婚したそうです。
 
でも僕のお母さんは、そんな前の旦那との取り決めを破り、勝手に子供に会いに行くことを決めました。
 
 
 
そりゃ、やっちゃいかんこと。
 
その前に、そんな取り決めしちゃいかん。
 
そもそも、そんなバカは子供産んじゃいかん。
 
 
これが今の僕の考え方です。本音です。
 
 
 
両親が離婚して僕がまだ小学生の頃の話なので、僕が小学校5年生〜6年生の間の出来事だったと思います。
 
母親に連れられて僕も一緒に子供に会いに行くことになりました。僕は嫌だったんですが仕方ありません。母が「行く」と言う所には一緒に付いて行くしかありません。
 
同じ福島県内だったと思います。あるホテルで僕達は顔を合わせました。
 

ホテルの従業員に娘を呼び出してもらう

 
子供が住んでいる場所と連絡先は何故か母は事前にリサーチしていました。執念ですね。
 
一人暮らしならば簡単だったんでしょうが、2人の子供はまだ父親と一緒に暮らしていました。子供の年齢はもう20代の半ばになっているとのこと。
 
 
まず最初に、どうやって子供と会えばいいのかを2人で相談しました。(僕、小学生ですが···)
 
僕は「誰かに呼び出してもらえば?」と言ったんだと思います。それに母も乗り気になりました。
 
そこで母は、宿泊しているホテルの従業員に電話をかけさせて呼び出してもらおうと考えました。
 
結果的にこれは成功したんですが、どうホテルの従業員を丸め込んだのか、僕は知りません。
 
お母さんは死んだと教えられ育った子供に本当はお母さんは生きていると伝えたいから電話で呼び出してくれませんか?」なんて言って、ホテルの人はそんな客の頼みを聞き入れてくれるもんなんでしょうか?
 
お金でも渡したのか、情に訴えたのか、理由をでっち上げたのか。ちょっとその辺のやり取りはわかりませんが、とにかくホテルの人はやってくれました。
 
電話をかけて、娘をそのホテルに呼び出してくれたんです。
 
この後母と娘は再開することになるんですが、出会って母と告げられた時の娘の反応を見ると、電話ではそういう事情だとは聞いていなかったようでした。
 
ますますホテルの人がどうやって呼び出したのか気になりますね!もう闇の中ですが。
 
 
母と娘は感動の再開を果たし、部屋で色々話をしていました。僕はというと、そんなことにあまり興味もなかったので、テレビで仮面ライダーブラックを見ていました。
 
僕のこの時の記憶はほとんど仮面ライダーブラックしかありません(笑)。集中して見ていましたからね。
 
そして母は、何故会う子供に息子ではなく娘を選んだのかも理由は不明です。最初から娘を狙ったのか、電話に出たのがたまたま娘だったのか。
 
でもこの娘を最初に選んだ選択は正しかったのかもしれません。
 
後に母親が生きていると妹に聞いた兄は、大層激怒したそうですから。
 

お兄さんに母の存在を告げる

 
今更なんなんだ
 
オレの母親はもう死んだんだ
 
 
娘から後日、母親が生きていることを兄は聞かされたそうです。
 
そして、それを聞いた兄は「お母さんに会いたい」と言うどころか、大変怒ったそうです。
 
その辺のことを、母は娘から手紙で知らされていました。
 
 
 
っていうかね、僕の母親がしたことは、いろんなものをぶっ壊したんじゃないかって思います。
 
急に死んだはずのお母さんが現れて、「死んだ」と教えてきた父親のことを、この二人の子供はどう思ったんでしょうか。
 
娘は受け入れたのかもしれないけど、息子はどう思ったんでしょうか。
 
兄と妹の関係もどうなったんでしょうか。
 
バカな親が子供を産むと、子供は本当に苦労します。
 

娘との手紙のやり取りが続いた

 
その後、娘と母はたまに手紙のやり取りをする仲になっていました。
 
家には娘の大人になった写真と、息子の結婚式の様子が写っている写真が飾られていました。
 
息子は結婚したそうです。
 
それも娘の手紙と一緒に送られてきた写真で母は知ったようです。その頃にはたぶん、あの娘に会いに行った時から2〜3年経過していたと思います。
 
 
ちなみに、2017年現在、僕の母は未だ息子と合ってもいませんし、話もしていません。娘とたまに手紙のやり取りをしているだけです。
 

息子の奥さんから手紙が届く

 
その息子が結婚してからまた何年かたった頃、息子の奥さんと名乗る人物から手紙が届きました。
 
僕は高校卒業間近の年齢になっていました。
 
 
その手紙には、大体このような内容が書かれていました。
 
 
お母さんの存在は結婚してしばらくしてから聞かされました。
でも主人はお母さんは死んだ人間なので合うつもりはないと言っている。
私は、お母さんが生きているのならば会わせてあげたい。
だから妹さんと一緒に旦那を説得している。
でもなかなか難しい。
 
 
大体そんな内容の手紙だったと記憶しています。同時に子供の写真も同封されていました。お母さんの初孫です。
 
 
ですがあれから約17年も経過しました。なので孫はもう17歳です。未だに息子とも孫とも会っていません。
 
あれからどうなったのか僕も母には聞いていません。
 
正直面倒だからです。
 

可哀想だとは思うけど、全て母の選択です

 
こういう話を聞くと、「かわいそう」だとかって言われると思います。
 
僕もかわいそうだなとは思います。
 
母は一人で福島県に住んでいます。
 
息子とは会えず、2度の離婚。孫にも会えません。2度目の旦那は自殺しました。僕という息子も離れて東京に行ってしまいました。福島には戻るつもりはさらさら無い息子です。
 
かわいそうだと思います。
 
思いますが、これらは全て、母が自分で選択した結果です。
 
 
後に離婚することになる男を2人も選んだのはお母さんです。
 
子供をつくったのもお母さんの選択です。
 
子供達にはお母さんは死んだと教えて育てるからもう子供には会うな」という約束を了承したのもお母さんの選択です。
 
そして、僕への「大人になったら福島で就職してお母さんの近くにいてくれ」という教育をしてこなかったのもお母さんの選択です。
 
誰に強制されたわけでもありません。全てお母さんが決めてきたことです。
 

子供を産むならば常識は捨てるべきです

 
僕は母を見て思うんです。自分勝手すぎると。何も考えていないんじゃないかと。
 
未来のことは、自分の想像と、自分の常識だと思っている方向に流れていくはずだと、勝手に思い込んで疑いもせずに生きてきたんじゃないかと。
 
全て自分の選択なのに「仕方がないじゃないか」と、他人のせいにして生きてきたんじゃないかと。
 
そして、自分の想像と違った結果になって、他人を責めるんです。
 
 
これが、❝常識❞に取り憑かれて学ぶことを放棄してきた人間の結果です。
 
だから、僕はこういう人間にはなりたくないんです。
 
だから僕は、常識を毛嫌いしているんです。
 
常識を常識と思っていると、いつしか、取り返しのつかないことになるんじゃないかと。
 
実際、僕のお母さんは取り返しがつきません。
 
少なくとも、僕と福島で一緒に暮らすという常識を手にすることはもう絶対に不可能です。
 
 
子供はこうあるべきだ
 
 
これから子供を産むお母さんはそんな自分勝手な常識は捨てて頂きたい。
 
 
常識は捨てて、そこから子供を教育してください。
 
 
子供は親を選べませんが、親は子供を選ぶことができます。
 
それは、親は子供をいかようにも教育することができるという意味です。
 
子供に自分の常識通りの道を歩ませたいのであれば、その常識を教育するんです。
 
これは、自分の常識を常識と思っているままだとできません。常識を教育しなくてはいけないなんて思わないからです。
 
 
僕の母親はこれをしてきませんでした。そういう道をずっと歩んできた母は、もう僕の言っている意味もわからない人間になってしまっています
 
自分の常識を疑わない。
 
自分の常識に反する人間を責める。
 
 
責めたところで何も変わりませんが、僕の母は他人を責めることしかできない人間になってしまいました
 
僕も一応血の繋がったお母さんなので、今からでも勉強の手助けをしようと色々話したりしましたが、もうだめですね。
 
学ぶ気がないんだから。
 
残念ですが、最後死ぬ瞬間まで、僕の母は他人を責め続けるんでしょう。
 
 
これが、何も考えず子供をボカスカ産んだバカな人間の末路です。
 
 
おわり。