こんにちは。 無口な職人気質のおじさんからはよく嫌われる傾向にある雲藤テル オです。
その理由は実は僕にもわかっています。
「感覚派」の職人に対して、僕は「理論」で臨もうとするからです。
僕は料理の世界で働いていたので、 昔からの料理人にはこういう職人気質タイプの人間が今でもまだ本 当に多いんです。
僕もこういう職人気質の先輩との人間関係は苦手だったので苦労し ました(´-﹏-`;)
今回は、そんな経験から僕が学んだ、無口な職人気質の先輩と上手く付き合いながら仕事をする方法を紹介します。
もくじ
無口な職人は、仕事は教えないが、怒る時は一丁前
無口な職人は、 普段全く仕事は教えてくれずに放置しているくせに、 失敗すれば怒るという、怒りん坊さんです。
普段は仕事を何も教えてくれないのに、“適当な仕事” をする人間を嫌います。
そういう職人の口癖は「見て覚えろ」です。
要するに「見て覚えるまでは皿洗いだけしてろ」ってことです。
無口な職人の「見て覚えろ」は、教え方が下手なだけ
「見て覚えろ」と言うからと、 自分なりに見て覚えたつもりで見様見真似で仕事をすると、 これもまた職人は怒ります。
何やってんだ!
できないならやるな!
10年早いわ!
おととい来やがれ!
仕事をまともに教えないくせに、この言われよう。
たぶんちゃんと教えれば、10年のところ、3ヵ月でできる仕事です。
「見て覚える」だけで覚えられる仕事には限界があります。
見て盗んでいては日が暮れる。
要するに職人さんは、自分の教育力不足を、 古き良き時代に横行していた “粋” というもので覆い隠しているんですね。
これは昔の人間の「生きる知恵」とも言えます。 昔の人間にしか使えない手法です。
羨ましい(¯―¯٥)
無口な職人も、聞けば意外と教えてくれる
ですが意外と無口な職人も、聞くと教えてくれることも稀にあります。
ですがこれも、0からの質問ではダメです。教えてくれません。
職人さんは知識0の人間に教えることができません。最低でも基本的知識の3くらいは身につけてからでないとダメです 。
無口な職人も自分の仕事に興味を持ってくれると嬉しいものです。 意外と自分の持っている知識を人に喋りたいので、 わからないことは聞くと教えてくれます。
ただし、納得するまで何度もしつこく質問すると、嫌がります。
なぜかというとそれは、
答えられないからです。
無口な職人の「感覚」に、「理論」で臨むと、怒り出す
仕事の基本を理解したところで( 職人さんの凄さを理解したところで)質問すれば、 職人さんも意外と冗舌に喋り出します。
しかし、 自分が納得するまで細かい部分に突っ込んだ質問をしつこく繰り返 すと怒り出すので、注意です。
こういう、職人に向かってしつこい質問を繰り返す人というのは、 なぜそんなことをするのかというと、職人の話には「 うやむやな部分」が多いからです。
うやむやな説明では理解ができないので、 自分が納得したいのでしつこく質問をするんです。
しかし職人さんは感覚的に仕事をしている部分が多いので、 言葉で人に説明することができません。
また、「感覚」で仕事をしているので、矛盾や思い込みによる間違いも多くあります。
つまり、職人にしつこく質問する部分というのは、この矛盾や間違いに切り込む行為なので、職人はそういう理論的に理解しようとする人間を嫌がります。
口動かす前に手動かせ
頭で考えるな
ってなことをよく言います。
無口な職人は、センスを好む
僕もこの理論的に理解したいというタイプの人間なので、 職人気質の先輩からはよく嫌がられていたと思います。
仕事について話していて、 核心部分に近付くと職人さんは話をうやむやにしがちなので、 理論的に理解したい僕は更に切り込んだ質問を繰り返します。
ですが職人さんは感覚で仕事をしている人間なので、言葉では説明できないんです。
また、言葉で説明しようとすると、自分が今まで行ってきた作業の矛盾点に気づいてしまうことも多いので、それも職人さんは認めたくありません。
今思えば、理論で臨もうとする僕の行為は職人さんにしてみたら「 若造に攻撃されている」と感じさせていたのだと思います。
確かに僕も今思えば、うやむやにしようとする職人を「 攻撃してやろう」という気持ちも少し入っていました。確かに。。
なので無口な職人は、理論的に理解しようとする人間を嫌い、 自分と同じようにセンスで覚えるタイプを好みます。
職人気質タイプの先輩の話の矛盾点に切り込んでも何の意味もあり ません。怒らせるだけです。
無口な職人には、「無口」で応えましょう。
無口な職人には「無口」で応える
無口な職人気質の先輩は、
・理詰めを嫌い
・センスを好む
なので、無口な職人には「無口」で応えましょう。
職人さんが話をうやむやにしようとしたら、そこから先へ切り込んではいけません。切り込んでも答えは出ないので。
職人が感覚で行っている作業を理論的に理解したいのならば、 そこからは “理論的に理解するセンス” が必要になります。
職人の話の矛盾点は他の先輩に聞いたりしながら理解を進めます。
それこそ「見て盗む」 という手法も使い実際に手を使って仕事をしながら、 自分なりに煮詰めていき理論化していくという作業です。
職人の先輩の矛盾点を自分なりに理論化できても、その理論で職人に挑んではいけません。
なぜならば、 自分がうやむやで矛盾だらけの感覚で行ってきた仕事を「 否定されている」と受け取られるからです。
若い人はよくそういったことで職人に挑みがちですが、それをすると更に嫌われます。
なので、自分で仕事を理論化できたなら、その理論は隠し「 感覚的なセンスで見つけた方法だ」と職人に思わせましょう。
つまり、「無口には無口で応える」ということです。
無口な職人には言葉ではなく、口を閉じ、 行動で示す方法が効果的です。
そうすることで「こいつ、センスあるな」と、 職人もあなたに一目置くでしょう。
人間は職人とか関係なく、言葉で攻撃されると反発しますが、 行動で示すことでそれは「センス」へと変わります。
無口な職人は、メンタル弱めの人間を、嫌いがち
メンタルが弱い人間というのは、その見た目と、 何言か言葉を交わすことで、わかる人には感覚的にわかります。
そういうメンタル弱めの人間を職人タイプの人間は嫌う傾向にあり ます。
僕もたぶんこのメンタル弱そうなオーラを出しているタイプの人間 なので、それを職人さんはすぐに見抜き嫌うのだと思います。
僕の「理論派」というものは裏を返せば、「 失敗したらどうしよう···」「怒られたらどうしよう···」 といつもビクビクして自分の仕事に自信がないからこそ、 絶対に失敗しないように根掘り葉掘りと先輩を質問攻めにし、自分が納得した状態でないと怖くて仕事に取り掛かれないんです。
こういう裏事情(メンタルが弱い)を敏感に職人は感じ取るので、 そういう意味でも僕は嫌われる傾向にあるのだと思います。
世の中の「理論派」と言われている人達は大概、 一見強そうに見えますが、意外とメンタルが弱い人間なことが多いんです。
だから自分の弱点を補うために理論武装するんですね。
そういう意味もあり、テレビでよく見る光景ですが、 経験豊富な昭和に活躍したような今の偉い人は、 最近の若い理論派を嫌い攻撃するのでしょうね。
まとめ
無口な職人気質の先輩と上手く付き合う方法をまとめるとこんな感じ。
① 職人の前で適当な仕事はしない。
② わからないことは怖がらずに聞く。ただし基本を身につけてから。
③ 職人の話の矛盾点は、自分の力で理論を構築して身につける。 職人の「感覚」に対して理論攻撃してはダメ。
④ 理論的知識を隠し、感覚的センスとして見せるようにする。
⑤メンタルが弱いのは隠しようがないので、 言葉で攻撃しようとせず、口を閉じ、センスで示す。
② わからないことは怖がらずに聞く。ただし基本を身につけてから。
③ 職人の話の矛盾点は、自分の力で理論を構築して身につける。
④ 理論的知識を隠し、感覚的センスとして見せるようにする。
⑤メンタルが弱いのは隠しようがないので、
でも、仕事の何もかもを言葉にできるわけではありません。
僕も飲食店バイトを19年もやっているので、 その調理分野はある程度極めている人間ですが、 その全てを言葉にすることはできません。 やっぱり言葉にはできない感覚的な部分が必ず存在します。
そういう言葉にはできない部分を、今の経験の少ない “若造” は、「時代」ということもあり、 無理矢理にマニュアル化しようとします。
それも経験豊富な職人さんは嫌います。
「感覚」というものを言葉にできてしまったならば、 それは職人さんも認めるしかありませんが、今の若造にもそれはまだできないようです。
なので職人さんをバカにしてはいけません。 そういうやり方が完全に通用する時代に活躍していた世代です。
当時は「見て覚えろ」が最新の教育方法だったので、“ それしかできない” というだけです。
そういうつもりは特にないんですが、 何を言っても職人をディスってる感じになってしまうのは、ご了承 ^_^;
職人の「感覚」にあなたの「理論」が加われば完璧です。
次はあなたが “新時代の職人” というものを目指しましょう!(๑•̀ㅂ•́)و✧