こんにちは。政治家の行動を深読みする趣味があるテルオ(@undoteruo)です。
2017年3月3日。 一連の豊洲市場移転問題についての記者会見を行った石原慎太郎元 東京都知事。
恥さらし責任逃れと批判され、その会見内容にメディアは満足していない様子です。
今日は、 記者会見で見えてきた石原氏の考え方と本音を勝手に分析してみた いと思います。
果たして、マスコミや私達国民は、
石原慎太郎を批判する資格があるのでしょうか?
まず最初に一言。
ここからの内容は、僕が一国民、一東京都民として、 客観的に会見を見た感想です。
もくじ
石原慎太郎の主張1【私は専門家じゃない】
石原慎太郎さんは会見で、しきりに「私は専門家じゃないので」 という言葉を何度も使っていました。
都知事は東京都のトップで総責任者ではあるが、 都知事などのトップはいくつもの様々な案件を抱え日々処理していかなければいならないので、 一つ一つの事案に対して都知事自ら現場に出向いて調査をしたり、 その分野を勉強して判断を下すことなど到底不可能なのだから、 信頼する部下の意見を集めて、最終的に都知事が判断した。
これが少なくとも現時点での政治家のトップとしての仕事だ。
と、主張されたいのかなと僕は読み取りました。
質問者の中から「無責任だ!恥さらし!」 との石原氏に向けた発言がありました。
ですが、事実、日本のトップの人達はこれを行っています。
民間単位でも行っています。
「無責任だ!」と発言した質問者もそうなのでは?
僕の学校給食の仕事で例えるならば、責任者が部下に「 調理に使う包丁の刃が欠けて切れ味の悪くなっているものがないか どうか調べてこい」と指示を出したとします。
部下は調べて「大丈夫でした。調理に差し支えはありません」 と責任者に報告します。
責任者は部下の報告を聞いてどうするでしょうか?
「お前の報告が正しいかどうか、どれ、私が自ら確認しに行こう」
こうなるでしょうか?
部下の言葉を信用して「そうか、分かった」となるはずです。
石原氏はこれを行ったに過ぎません。
そして「無責任だ!恥さらし!」と石原氏に暴言を投げつけた、自らも 何人もの部下を持つであろう質問者の方もそうなのでは?
これが無責任だと言うのならば、政治家全員、 部下を一人でも持つ会社員全員、今これを読んでいるあなたも「 無責任」だということになります。
責任者が全て行うのであれば、東京都の場合、 職員は東京都知事ただ一人だけでいいことになります。
しかしその場合、一つの案件の決断を下すごとに、 大学へ入学して4年間勉強した後からのスタートになります。
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石原慎太郎の主張2【みんなの責任】
石原慎太郎さんの会見によると、今回の一連の豊洲問題の責任は「 みんなの責任」と主張しています。
●東京都のトップとして決断した東京都知事の自分の責任。
●調査し「大丈夫です」と言った部下の責任。
●議論の末判断を下した議会の責任。
それに加え、「 自分が都知事になる以前から豊洲移転は決まっていて、 その流れで皆仕事を進めていた」のだとも会見で主張しています。
確かに、東京都という組織の流れは、それは大きな流れでしょう。
東京都のトップの知事でさえその流れに逆らうことはできなかった ということです。
でもそんな❝流れ❞や❝空気❞なんて、 都民にとってはどうでもいいことで、 責任者の都知事に批判が集中するのもまた、都民の当たり前の❝ 流れ❞です。
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石原慎太郎の主張3【豊洲は安全】
流れに逆らえないとかなんとかではなく、 石原慎太郎さんはそもそも、「豊洲市場は安全だ」との主張です。
会見で「 危険な豊洲市場に移転を決定したことに対して謝罪はないのか」 的な質問があったと思うんですが、その質問者さんはなぜ「 豊洲が危険」と言うのでしょうか?
僕も含めて一般国民は、テレビや有識者と名の付く方々の意見を聞いて、危険か危険じゃないかの判断 をするわけです。
それと同じようにその質問者も、「豊洲は危険だ」 と言う専門家の意見を信じて質問しているわけです。
その質問者は「豊洲は危険だ」 と言う専門家の意見を信じずに自分で勉強し、 ベンゼン等の性質の知識を十分に身に着け実験を重ねた末、「 豊洲は危険だ」と判断し石原氏に質問しているのでしょうか?
違います。
石原氏はじめ、国会議員、 それぞれのトップと言われる方々もまた、 専門家や信頼する部下の意見を聞いた上で決断を下しています。
我々一般国民も、マスコミも、知事も、国会議員も、 専門家の意見を参考に物事を判断します。
そのために専門家がいます。
石原氏は信頼する部下の「大丈夫です」との言葉を信じ、 専門家の「問題ありません安全です」との言葉を信じ、 決断したのでしょう。
なので石原氏は「豊洲は安全だ」との立場なわけです。
それらを踏まえて考えるならば、石原氏とそれ以外の人間は、 何ら変わりはないということになります。
我々がいつもしていることと同じことを石原氏もしたにすぎません 。
勿論、そのプロセスにいくつもの問題があったことは事実なので、 その点においては責任を感じているのだと思います。
ですが、我々が求めている(マスコミが求めている)「謝罪」 をこの人に求めるのは無意味です。
だって、 豊洲が移転できないほど危険な場所だとは石原氏は考えていないわ けですから。
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石原慎太郎の主張4【責任は小池知事にある】
石原慎太郎さんは会見で、「 安全な豊洲を早く使わない小池百合子都知事こそ責任を問われるべ きだ」と繰り返し主張していました。
それはそうでしょう。石原氏にとって豊洲市場は❝安全な土地❞ なわけですから。
その安全な豊洲を使わずに、無駄に税金を使い、 無駄に築地関係者を惑わし、❝危険な築地の土地❞ をいつまでも使用している。
こういう考えなのだと、僕は石原氏の会見を見て感じました。
「 安全な豊洲市場へ早く移転させずに無駄に都民の税金をドブに捨て ている小池都知事こそ責任を問われるべきだ」
と、石原氏は主張したいのだと感じました。
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石原慎太郎に謝罪を求める資格など私たちには無い
事実、石原氏の「豊洲は安全だ」 との主張に誰も苦言を呈していませんでした。
それはそうでしょう。
石原氏と同じように、 質問者達も誰かの意見を信じているに過ぎないのですから。
石原氏に謝罪の言葉を言わせたいのであれば、
「 豊洲市場に人間が入れば人体に悪影響を及ぼす危険な土地である」
という確固たる事実を突き付ける必要があります。
これができないのであれば、
誰一人として石原氏に謝罪を求める資格はありません。
誰かの意見を信じて「豊洲は危険だ」と石原氏に突きつければ、 同じように石原氏も誰かの意見を聞いて「豊洲は安全だ」 と反論を展開することになるでしょう。
無意味です。
そんなワイドショーは時間とカネの無駄です。
石原氏が頭を下げて涙ながらに謝罪する姿をカメラで押さえたいの であれば、マスコミは「豊洲は安全だ」 と石原氏に意見する専門家達全てを黙らすことができるだけのデータを示 す必要があります。
ですが残念ながら、その部分は飛ばして面白い映像を撮ることに、 マスコミは必死になっています。
また、我々国民も、それを望んでいるわけです。
無意味です。
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石原慎太郎の間違いはたった一点「責任逃れ」
石原慎太郎さんは会見でしきりに「みんなの責任だ」と主張しています。
僕が石原氏の会見を見ていて残念に思ったのは、この「責任逃れ」 の一点についてだけです。
●自分が都知事に就任する以前から決まっていたこと。
●専門家の意見を信じた。
●信頼する部下の調査資料を信じてハンコを押した。
●都議会も議論の末豊洲移転を決定した。
それは確かにそうなのでしょう。
僕は会見を聞いていて、 石原氏は嘘はついていないとの印象を受けました。
そして石原氏は、 豊洲移転に関しては間違ってはいないとの考えです。
しかし一方で、そのプロセスなど、 不明な点も数多いことは石原氏も認めています。
その点は自分にも責任があるのだとは言っていますが、同時に、「 私だけではなくみんなの責任だ」とも話しています。
東京都の最高責任者は東京都知事ただ一人です。
信頼し任せた部下のミスは東京都知事の石原慎太郎氏の責任である ことは明白です。
私達一般国民と同じように、 部下の意見を信じて決定したのだと言うのであれば、 責任の所在も私達一般国民と同じように、 責任者である石原慎太郎氏が負うべきです。
「そこだけ別なんだよ」というのは成り立ちません。
「豊洲移転は間違ってはいないが、もし責任があるのだとすれば、 それは全て私の責任です」
それくらいは言ってほしかったなと思います。
恥さらしは言い過ぎだが、責任逃れはいただけません。
恥さらしは言い過ぎだが、責任逃れはいただけません。
石原慎太郎記者会見の感想まとめ
おそらく、石原慎太郎さんは嘘は言っていないという印象を僕は会見から受けました。
グレーな部分を上げるとすれば、「記憶がない」ことと「 記憶違い」についてです。
会見で石原さんに名指しされた方は「 石原さんは記憶違いをしている」と反論していましたね。
この方の言われる「記憶違い」が事実だとしたら、 石原さんの言われている「記憶違い」が本当に記憶違いなのか、❝あえて❞なのかは分かりませんが、そこがグレーです。
「記憶がない」という発言も同様に。
ですが僕の印象では、会見を見る限り石原さんは、❝ 自分にとって❞は真実を話していると感じました。
それでも、「みんなの責任だ」はいただけません。
どんな馬鹿な部下であっても、どんな無能な専門家であっても、 それらの人達に決定権はありません。
決定権は東京都知事ただ一人です。
であるならば、責任を問われるのだとすれば、
石原慎太郎
ということになります。