【飲食店の売れ残りは廃棄が正義】日本の犯罪闇社会をバイトリーダーが語る

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地球には、全世界の人間が生きられるだけの食料が十分に存在しているのだとか。
 
 
こんにちは。飲食店で時給1200円でバイトリーダーをやっているテルオ(@undoteruo)です。
 
 
僕は今のバイトをかれこれ17年続けています。
 
僕が東京へ出てきたのが17年前の高校卒業後でした。それからすぐに始めたバイトです。僕の人生の約半分はこのバイトと共にあることになるわけです。
 
 
この17年で僕のバイト先にも色々と変化がありました。
 
売上は僕が入った17年前と比べるとたぶん6割位に減っています
 
売上が落ちているので当然人件費も減らさなくてはいけず、オペレーションの人数も当時と比べて何人か減っています。それでも更に従業員が足りていない毎日です。
 
 
マニュアルの導入も大きな変化でした。
 
「全国全ての店舗で同じクオリティー」を目的に導入されたマニュアルによって、全ての作業が細かく決められました。
 
 
聞くところによると、社員としても大きな変化がありました。
 
基本給に残業代の何十時間分の給料が最初から組み込まれるようになりました。大きな会社なので法令遵守ということで、飲食店には付きものの❝残業❞という問題について合法ラインギリギリを攻めた結果でしょう。
 
退職金制度もなくなりました。
退職金制度は廃止して、毎月の給料に退職金を少しづつ振り分けて支給するといった方法をとっているそうです。まとめて「ボンッ」って形ではなくなったということです。
 
 
この17年で色々な変化がありましたが、一つだけ変わらないことがあります。
 
それは、食材の廃棄についてです。
 
いや、やっぱりこれも変化しています。売上減と反比例して食材の廃棄量は増えていっています。
 
売上が落ちているのだから本来は減るべきなんですが、明らかに増えています。
 
消費者にとっては良いように思えるマニュアルの導入と、人件費削減により、日本の飲食店の(まだ食べられる)食材の廃棄量は増えていっています。
 
 
これは日本の消費者にとってみれば知ったことではなく、むしろ正義ですが、一歩外へ出てアフリカの方へ行けばそれは、犯罪級の悪になります。
 




売れ残りは全て廃棄処分が日本の正義

 
飲食店では当然のことながら、売れ残った商品は全て廃棄処分です。
 
その理由と言えば、「マニュアルだから」に尽きます。
 
 
たとえばご飯で言えば、1升2升は当たり前に毎日捨てています。アルバイトは毎日の仕事で麻痺をしていて平気な顔で捨てています
 
僕が最近一番気がかりなのは、知的障害者にもこれを教えてやらせていることです。
 
 
僕のバイト先の飲食店には知的障害者の女の子が一人、厨房で働いています。非常に真面目でみんなから可愛がられている女の子です。
 
この女の子がボンボンゴミ箱に売れ残りを無表情で捨てている姿を目にした時は···、何とも言えない、変な感情を持ちました。
 
 
僕の飲食店ではお弁当も販売しています。いくつか種類があるので、種類ごとに2〜3個を作り置きして店頭に並べて販売しています。
 
消費期限は6時間です。そして販売できる時間は4時間とマニュアルで決められています。
 
あと2時間は食べることができるわけですが、消費期限が2時間前に迫っている商品を販売することはできない」という謎の理由により2時間前には裏に下げて、知的障害者の女の子がゴミ箱に無表情で(たまにニコニコしながら)ぶち込みます。
 
消費期限切れならばまだしも、あと2時間食べられるお弁当をゴミ箱に捨てているんです。
 
これを犯罪と言わずに何というのでしょうか。
 

飲食店のIT化が食材廃棄量増加に拍車をかけている

 
これも僕が衝撃を受けた❝事件❞です。
 
僕は「ひじき一袋事件」と呼んでいます。(僕以外は誰も❝事件❞だとは思っていませんが)
 
 
僕の飲食店ではお弁当の中身は全てお店の中で作っていますが、付け合せのお新香やきんぴらゴボウなんかは真空パックになっているものを開けて少しづつお弁当に入れていくだけです。
 
その中身の付け合せもたまに変わります。
 
昨日まではひじきを使用していたが、今日からはきんぴらゴボウに変わるといった時がありました。ですがまだ500グラムで真空パックになっているひじきが一袋残っていました。
 
僕はまだひじき一袋残ってるんだから使い切ってからきんぴらゴボウに変えればいいんじゃない?」と言いました。
 
ですが、それはできないと言います。
 
それはなぜか。
 
 
お弁当には成分表や値段や消費期限が印刷されたシールが貼られていますが、そのデータは本社から一括して全店にダウンロードされたものを使います。
 
そして、その中身は、店舗毎に勝手に書き換えることはできない仕組みになっています。
 
なので、今日からスタートのきんぴらゴボウの成分が印刷されたデータがダウンロードされ既に書き換えられています。それを使うしかないわけなので、表示されていないひじきを使うことができないわけなんです。
 
そのひじきも知的障害者の女の子が無表情で(たまにニコニコしながら)ゴミ箱にぶち込みます。
 
 
理由は理解しましたが、納得はできません。
 
まだ何週間も先の消費期限のひじきをダウンロードされちゃったから捨てる」って、コントじゃあるまいし、笑い話にもなりません。
 

売れ残った弁当を持ち帰るのは犯罪者だと

 
売れ残ったお弁当はスタッフに配ればいいのではないかと思われるでしょうが、それも僕の飲食店ではできません。
 
 
僕の全国チェーンの飲食店には「まかない」というものは存在しません。
 
ですが一応、従業員は30%引きで商品を購入することは可能です。それでも高いので誰も買いませんが。
 
 
なぜタダで配ることができないのかと言えば、それはマニュアルだから」です。本社がそう決めているからです。
 
「消費期限がまだ2時間後でもゴミ箱にぶち込め」というのが本社のマニュアルです。
 
 
僕は店長が代わる度に個人的にこの話をそれとなくします。まだ食べられるんだからタダで欲しい人に配りましょうよ」
 
ただのバイトの僕が本社のルールを変えさせることなんてできないので、店長と個人的にルールを作りましょうよということで話すんですが、今まで首を縦に振ってくれた店長は少ないです。
 
ダメな理由は大体次の通りです。
  • マニュアルだから
  • 本社にバレたら(オレが)大変だから
  • タダで配るってことになったら、わざと売れ残るように無駄に多く作ったりといった不正が横行するだろうから
これらがどの店長も言う理由です。
 
 
僕は17年もバイトをしているので店長の意見に大体反論できるんですが、「マニュアル」を持ち出されると何も言えません。
 
僕も若い頃はもっとガンガン言っていたんですが、店長も困ると「マニュアルだからさ···」と言ってくるのはわかっているので、最初に「ダメ」と言われたらあまり突っ込まないようにしています。
 
 
そしてたまに勝手に売れ残りのお弁当を持ち帰る人が当然出てきます。
 
そしてたまにそれが店長にバレます。
 
「売れ残りでも勝手に持ち帰ればそれは犯罪だ。今度見つければ警察に通報する!」とまで言った店長がいました。
 
 
お前が犯罪者だ
 
 

人がいないから多めに仕込みをしておく

 
飲食店はどこのお店も人手不足の問題を抱えています。
 
お店が回らない程人が少なければ営業が困難になるので、人がいない時の作業をできるだけ減らそうと、人がいる時に後々のことを考えて多めに仕込みをすることになります。
 
例えば、多めにご飯を炊いておくとか、多めにお新香を盛り付けておくとか、多めにお弁当を作っておくとかです。
 
 
今の時代売上が減れば減るほどそれに反比例して食材廃棄量が増えていくと最初に言いましたが、その理由はこれです。
 
商品が足りなくなった時が一番大変なので、途中で作らなくても済むように余るくらいに作っておくのが常識となっています。
 
つまり、営業終了後でもまだ食べられる食材です。
 
それを捨てるんです。
 
理由はもちろんマニュアルだからです。
 
まだ食べられる食べ物を捨てなければならないマニュアルって、一体何なんでしょうか。
 
犯罪です。
 
 
この僕が言う「犯罪」に異論のある方はコメント下さい。理論武装してお待ちしております。
 

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廃棄量よりも売上重視

 
これも店長が代わる度に僕が話すことなんですが、廃棄がもったいないから注文が入ってからお弁当作ることにしましょうよ」
 
こんな提案をこれまで何人もの店長に話してきましたが、これもやっぱり首を縦に振ってくれる店長はいません。
 
その理由は
  • 時間がかかれば客を逃す
  • 本社はロスを減らすことより売上重視で見られる
この2点がどの店長も言うセリフです。
 
 
僕はデータが見れないので想像でしかありませんが、個人的に、時間がかかってしまって逃した売上減と、ロスを減らしたことにより廃棄せずに済んだ金額と、実はトントンなんじゃないかと思っています。
 
実際にはわかりませんが、これがもし当たっていたとしても、本社はロスが減っても「よくやったね!」という評価はしてくれないということです。店長の話によれば。
 
そんなことよりも売上のアップが重要なのだと。
 
 
僕は高卒で経営のことはわかりませんが、これが大学で習う商学の常識なんでしょうか。きっとそうなんでしょう。
 

ランチの女王に僕は衝撃を受けた

 
『ランチの女王』というドラマを知っているでしょうか?
 
料理人の江口洋介と竹内結子のドラマです。若い頃の山ピーも金髪高校生役で出ていましたね。
 
ドラマの細かい内容はあまり覚えていませんが、一つだけ鮮明に覚えている衝撃を受けたくだりがあります。
 
 
料理人の江口洋介が他のお店で食事をしている時のこと。
 
店員がお客さんに料理を運んだが出し間違えたようでそのまま料理を下げて行きました。その下げた料理を本来の別のお客さんに提供しました。
 
それを見ていた江口洋介がその店員に言います。
 
一度お客様に出した料理を他のお客様に使い回すのはやってはいけないことなんじゃないか」
 
江口洋介は主人公なので、主人公の料理に対する真面目な姿勢を見せるための場面だったんですが、たぶんそのシーンを見てこう思った人は少ないんじゃないでしょうか。
 
 
おめぇアフリカ行って同じこと言ってみろよ
 
 
やるんだったら、その料理を従業員が休憩で食べるというところまでやるべきでした
 
ドラマでもやっているんですから、これが日本の常識なんです。
 
 
犯罪が常識となっているのがこの国日本です。
 

飲食店の仕事が敬遠されるのは当然だ

 
飲食店で働いていると、バイトが集まらない理由がよくわかります。
 
それは、現在の飲食店は、すごく大変な仕事だからです。
  • 売上は減り続けている
  • 従業員も減り続けている
  • でもやることは昔に比べて増え続けている
これが飲食店に人が集まらない、またはすぐに辞めていく理由です。
 
 
やることが昔に比べて増え続けているというのは、単純に人が少ないから一人分の仕事量が増加するという意味もありますが、別の意味もあります。
 
飲食店は他店との違いを出すために料理に手間をかけるようになりました。
 
例えば、
  • 全て店内で作っています
  • 組み合わせ自由で何百通りもの組み合わせが選べます
  • この商品は店内で一晩かけて仕込んでいます
  • 自家製です
人件費にはお金をかけず、そのくせ手間をかけて他店との違いを演出するようになりました。
 
3人のところ2人でやるから1人1.5人分の仕事量というような単純な話ではなく、更にそこへ手間もかけるようになり、昔と比べて1人で2人分の仕事量になっています。
 
従業員の人数が足りていないなら仕事を減らすべきなんですが、こういう現実があるため人が寄り付かないんです。
 
 
こういうギリギリの状態で毎日仕事を行っているので一つ一つの仕事が雑になっていきます。衛生面などで昔では「ちょっと君それマズイよ」と言われていたようなことでも今では常識となっています。
 
目に見えない部分から順番に削られ、このまま行けばそのうち目に見える部分にまで手をつけ始めるでしょう。
 
 
誰が望まなくとも、日本はこれに向かって走り続けています。
 




テルオ的まとめ「犯罪も、みんなで犯せば怖くない」

 
今回僕が言いたかったことはたった一つです。
 
 
食べられるものをゴミ箱にぶち込むな
 
 
僕が学校給食という仕事を辞めた本当の理由は今日の内容にも関係しています。
 
学校給食では飲食店のような食材を無駄にすることは少ないですが、企業に属していると、自分というものはある程度麻痺させる必要が出てきます。自分の意見は意見として、とりあえず会社の方針に従う。
 
これは会社員としては当然のことでしょう。別にこれを批判するつもりはありません。
 
だから僕は企業には属さない生き方を模索するために仕事を辞めたんです。
 
 
社内でやりたいことがあるならば偉くなればいい。
 
 
僕は基本的にこの考え方ですが、あと何十年も自分を麻痺させることはできないし、麻痺している時間が長くなれば長くなる程それが常識となり抜け出せなくなるような気がしました。
 
「いつでもやめられるよ!」と言って結局やめられない喫煙者と同じです。
 
最初は❝あえて❞していると思っていることでも、いつしかそれから抜け出せなくなるばかりか、常識となってしまいます。
 
 
一度そう感じてしまった僕ができることは、強力な麻酔薬を注射して自分を薬漬けにするか、辞めるか、そのどちらかしかありませんでした。
 
一生気付かなければ幸せな人生なのかもしれません。でも、闇を見て、一度考えてしまったらもう後戻りはできません。僕は。
 
後戻りができないのであれば、先へ進むしかありません。
 
 

 
 
 
 
 
 

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