(原因磯和えと特定)和歌山の食中毒事件の原因メニュー特定に元学校給食調理員が挑戦!給食センターとノロウイルスの特徴から探る。

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こんにちは。元学校給食調理員のテルオ(@undoteruo)です。
 
 
今回の和歌山県御坊市の集団食中毒事件に関して、ノロウイルス集団感染は防ぎようがない理由と、私達一般人がノロウイルス感染後に取るべき行動を既に記事にしてきました。
 
 
今回は、未だ原因食材が特定に至っていないようなので、元学校給食調理員の僕が原因の特定に挑戦してみようと思います!
 
 
僕がなぜそんなことに挑戦してみようと思ったのかというと、「和歌山 食中毒 原因」と検索するとたくさんの分析をしている方々のブログが並びますが学校給食経験者の僕からすると全く的外れな指摘をされている方が多くいます。
 
ですので、集団調理という仕事を実際に経験した僕の知識を用いて正しい分析をしてみようと思いました。
 
集団調理を知らない方にも役に立つ情報も出てきますので、今後の安全な食事作りの参考にしてみてください。
 




これまでに分かっている和歌山県御坊市のノロウイルス集団食中毒事件の内容

和歌山県御坊市の給食センターが作った給食を食べた幼稚園と小中学校の園児や児童生徒ら計719人がノロウイルスに感染しました
 
症状はいずれも26日夜から27日朝にかけて出ていて、県は28日、発症者の便からノロウイルスが検出され、市立給食センターで25日に調理された給食による集団食中毒と断定。
 
現在原因食材、ウイルス混入ルートを分析中。
 
2月2日追記→和歌山のノロウイルス集団食中毒事件について県は1日、1月25日の献立「磯和え」からノロウイルスが検出されたと発表しました。
 
 
2017年1月25日に発生した和歌山県御坊市の集団食中毒事件、2017年2月18日に東京都立川市で発生した集団食中毒事件、2017年2月23日に東京都小平市で発生した集団食中毒事件。この3件全ての食中毒の原因は「同じ業者が製造している刻み海苔」であることが判明し、その業者の製造過程でノロウイルスが混入したことが原因であると判明しました。

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ノロウイルス集団食中毒の原因は「手洗い」と「手袋の使い方」から始まる

 
↑の記事でも話していますが、まず大前提として、ノロウイルスの集団食中毒は全て「手洗い」「手袋の使い方」から始まります。
 
ノロウイルスは体内でのみ増殖するため、二枚貝を使用しない限り、野菜等に最初から付いていたとは考えられません。
 
人間がノロウイルスに感染し、感染者の手に付いたノロウイルスが、手洗いが不十分であったり、手洗いが不十分のまま間違った手袋の使い方をすることによってウイルスが食材に付着してしまい、それを食べた人間に感染します。
 
よって、原因食材の前に、大前提として「人間」が原因ということです。
 
 

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何日の給食メニューが原因かの特定

 
県は、給食センターが25日に調理した給食が原因と結論付けました。
 
 
そう結論付けるに至った理由は何なのか。
 
 
症状はいずれも26日夜から27日朝にかけて出ていること。
 
一方、幼稚園では26日は給食はなかったということ。
 
ノロウイルスは感染すると、24~48時間ほどの潜伏期間を経て感染症や食中毒を発症すると言われていること。
 
 
これらの理由により県は、25日に調理した給食が原因と結論付けたのだろうと推測します。
 
 
26日の夜から症状が出始めたということから、少なくとも26日の給食では潜伏期間が短すぎます。
 
同じノロウイルスが園児からも検出された幼稚園は26日に給食がなかったということからも、25日給食原因説が裏付けられます。
 
 
よって、県が発表している通り、25日の給食が原因となります。
 
 

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「牛乳」「ご飯」は原因メニューの選択肢から外れている理由を分析

 
市立給食センターで25日に調理された給食による集団食中毒と断定」と、県は発表しています。
 
それに加えて、御坊市立給食センターの森田誠センター長は「センターで調理した給食に原因がある可能性が高い」とも話しています。
 
 
どうやらこの給食センターでは、ご飯や牛乳は取り扱っておらず、別の複数の業者が学校に直接配送しているということです。
 
市立給食センターで25日に調理された給食による集団食中毒と県が断定していることから、「牛乳」と「ご飯」は原因食材の選択肢から外れているということになります。
 
おそらく、同じ被害にあった幼稚園や小中学校に❝別の複数の業者❞が関わっている牛乳とご飯は原因とし考えにくい為、選択肢から外れたと思われます。
 
 
 
ちなみに学校給食の牛乳とは?
 
現在日本で広く使われている主流の牛乳殺菌方法は「超高温瞬間殺菌法(UHT法)」というものです。
 
 120~150℃で1~3秒保持による殺菌方法で、殺菌効率がきわめて高く無菌に近い状態になる方法です。
この殺菌方法を用いている牛乳製造会社は日本では現在9割以上を占めています。
 
この方法を守って製造していれば、❝何らかのいつもとは異なる工程にその日だけ変更した❞のでもない限りは、牛乳にノロウイルスが混入するのは考えにくいと思われます。
 
 
ご飯の場合も、高温で炊飯することで仕上がる食べ物なので、仕上がった後にノロウイルスが付着した手でご飯に触れた人間がいたとしても、それが何校にも渡って広く感染が拡大することは考えにくいと思われます。
 
 
いずれにしても、原材料と完成品をそれぞれ50グラム以上14日間保存しておく決まりがあるので、大手の会社であれば必ず保存食は残してあるはずです。
 
それを調べれば更に確実に「牛乳」と「ご飯」は原因食材から外れることになるでしょう。
 
 

原因候補メニューを2つに特定

 
さて、では25日のメニューは何だったのでしょう。
 
「塩ちゃんこ」と「磯和え」との情報が発表されています。
 
原因食材はこの2つに絞られることになります。
 
 

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原因候補メニュー「塩ちゃんこ」「磯和え」の給食調理方法から分析

 
メニュー名は発表されてはいますが、具体的な中身の食材や、その調理方法、出来上がりがどういった感じのものなのか等の詳細情報は少ないです。
 
なので、一般的な学校給食の調理方法で見ていくことにします。
 
 
ノロウイルスは熱に弱いため、加熱処理することによりウイルスの活性を失わせることができます。
 
集団給食調理の場合には、その温度と時間の管理が義務付けられています。
 
この給食センターが今までの主流の「85度以上1分以上の加熱」を採用しているのか、最新の「90度以上90秒以上の加熱」を採用しているのかは不明ですが、「90度以上90秒以上の加熱」を採用していると仮定して話を進めてみたいと思います。
 
 

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原因候補メニュー「塩ちゃんこ」調理方法

 
「ちゃんこ」ということなので、具沢山の塩味のスープ系の料理だと思われます。
 
おそらく、塩味の野菜が多い豚汁のようなものでしょう。
 
学校給食では通常高価な牛肉は使用しませんので、この塩ちゃんこに肉を使用している場合には豚肉か鶏肉になるでしょう。
豚汁と違いを出すために肉を入れるのであれば鶏肉を使用している可能性が高いと思います。
 
ということになると、「とり団子」なんかにして入れていた可能性もあります。
 
 
とり団子の場合には既製品の団子を解凍して使用する場合もあれば、給食調理施設内で人間が手で丸めている場合もあります。
 
人間の手で丸めている場合には、それだけノロウイルスが多く付着した可能性もあります。
 
 
それ以外には野菜が多く入っていると思われます。白菜、もやし、人参、きのこ類と予想できます。
 
もやしは安価なため学校給食ではよく使われます。
 
具沢山のちゃんこということなので、メインは安価なもやしと白菜等なのではないかと予想します。
 
 
 
感染原因メニューが「塩ちゃんこ」であるならば可能性としては、
 
葉物野菜に関してはすぐに規定の温度(90度以上)に上がるので、スープ全体の温度と時間を最終的に確認していれば野菜が原因の可能性は低いでしょう。
 
仮にとり団子を使用していた場合には、中心まで温度(90度以上)が上がっていないためにノロウイルスが残ってしまった可能性があります。
 
 

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原因候補メニュー「磯和え」調理方法

 
「磯和え」に関しては多少情報が見つかりました。
 
「ゆでたホウレンソウやちくわなどを使った磯和え」とのことです。
 
 
一般的な学校給食のメニューに照らして言うならば、「お浸し」に近いものだと予想できます。
 
「ゆでたホウレンソウ」ということなので、これも塩ちゃんこ同様、葉物野菜は比較的早く規定の温度(90度以上)に達しますので、きちんと最終的に温度と時間を確認していれば❝ゆでた段階❞では問題ないでしょう。
 
 
「磯和え」ということなのでちくわを使用していますね。
 
僕の学校給食経験では、ちくわも温度を上げて更に安全な方法をとっていますが、この給食センターがどういう安全策をとっていたかは不明です。
 
もしかしたら納品されたちくわをそのまま使っていた可能性もあります。
 
 
他には何が入っていたのか予想すると、「磯和え」ということで、磯の香りを強調するために「刻みのり」を使用していた可能性もあります。(通常であれば学校給食で「磯和え」といえば刻みのりを使用するのは一般的)
 
通常であれば刻みのりの場合加熱は不可能なので、納品されたままの状態で衛生的に開封して使用するのが一般的です
 
 
ホウレンソウのところで❝ゆでた段階❞と強調したのには理由があります。
 
この磯あえは「お浸しのようなもの」の可能性が高いです。
 
ということは加熱後、冷やして、ドレッシングやちくわ、刻みのりと混ぜ合わせる工程が必要となります。
 
学校給食では通常、こういう「混ぜ合わせる作業」には細心の注意を払います。
 
それは加熱後、つまり、最終的に温度を上げて完成した食材に更に手を加えることになるからです。
 
 
この給食センターがどういった混ぜ合わせ作業を行っていたのかは不明ですが、「何らかの調理器具を使う」か、「手袋をした手で行う」か、このどちらかということになります。
 
↑の記事でも使い捨て手袋の危険性を指摘している通り、使い捨て手袋は「必ず素手で触れている部分」、手袋をした後に水洗いしても「洗いきれない部分」が必ず残ります。
 
 
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使い捨て手袋はこのように素手で摘んで取るため、
 
 
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少なくともこの丸印の部分には素手で触れています。
 
 
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手袋を手にはめる為には少なくとも斜線の部分に多く素手で触れることになりますし、斜線の部分は手袋をした後に手洗いをしても洗いきれません。
 
それ以上上まで水洗いをすれば手袋の中に水が入り、作業中に中からノロウイルスに汚染されている可能性のある水が出てきて、余計に不衛生だからです。
 
 
素手ではなく何らかの調理器具(トングやオタマ)を使用した場合であっても、混ぜ合わせる作業なので手に食材が触れる可能性は大いにあります
 
 
いずれにしても、最終的な加熱後(完成後)に行う「混ぜ合わせる」という工程のある「磯和え」は細心の注意が必要となるメニューです。
 
 

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元学校給食調理員による原因メニュー分析特定結果【磯和え】

 
元学校給食調理員の僕の分析の結論としては、
 
「磯和え」の可能性が非常に高いという結論に至りました。
 
2月2日追記→和歌山のノロウイルス集団食中毒事件について県は1日、1月25日の献立「磯和え」からノロウイルスが検出されたと発表しました。
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和歌山集団食中毒事件で「磯和え」が原因メニューと特定!ノロ感染経路はトイレ後の手洗い不足か!?

2017.02.02
 
 
やはり、最終的な加熱後に「混ぜわわせる」という工程のある磯和えは非常に危険と言えます。
 
 
「塩ちゃんこ」の場合には、とり団子が使用されているとの仮定の元での話なので、もしとり団子が使用されているということになれば、塩ちゃんこの「とり団子」が原因の可能性もあります。
 
 
ですが「磯和え」の場合には、混ぜ合わせるという工程は必ず発生するものなので、具材の詳細が発表されていない現段階で言えるのは、磯和え原因説」が最も濃厚となります。
 
 




和歌山県集団食中毒事件の原因食材特定まとめ

 
今回は勝手ながら、僕の学校給食調理員としての経験を元に、和歌山集団食中毒事件の原因食材の特定に挑戦してみました。
 
僕としての結論は「磯和え」となりました。
 
 
ですが、何が原因だったかは調査してみなければ断言はできません。
もしかしたら僕にも想像できないような混入ルートが存在しているかもしれません。
 
 
いずれにしても、公式の早い特定結果の発表が待たれます。
 
今後また同じような集団食中毒事件が発生しないように、私達はそこから学んでいく必要があります。
 

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2月20日追記

 
御坊市の教育委員会は、センターが御坊市保健所の指導を徹底することなどを条件に、3月中に給食を再開する方針を固めました。
 
保健所によると、磯和えのホウレン草は基準通りの温度管理を行い、また、調理器具や食缶は消毒したものを使用し各学校に配送していたので、 同保健所は「加熱後、食缶に入れる間にウイルスに汚染された」と結論づけました。
 
また、調理後に施設内の消毒清掃を行っていたため、感染経路は特定できなかったようです。
 
僕が指摘した磯和えをドレッシング等と混ぜ合わせる作業時にノロウイルスが付着した可能性がある」のはほぼ間違いないでしょう。
 
 
2017年1月25日に発生した和歌山県御坊市の集団食中毒事件、2017年2月18日に東京都立川市で発生した集団食中毒事件、2017年2月23日に東京都小平市で発生した集団食中毒事件。この3件全ての食中毒の原因は「同じ業者が製造している刻み海苔」であることが判明し、その業者の製造過程でノロウイルスが混入したことが原因であると判明しました。
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